浅草七福神巡りのひとつに吉原神社があります。
吉原と言えば今はなき「遊郭」で有名ですね。しかし吉原神社には悲しい過去を背負う観音様がいるのです。
そして七福神の紅一点である弁財天も祀られています。もちろん御朱印もいただくことができるので、人気のある神社です。
吉原神社の御朱印やご利益をご紹介します。
目次
吉原神社の御朱印の特徴
吉原神社は近所にある浅草鷲神社と同じように七福神が祀られている神社です。
ですからお正月を中心に七福神巡りをする人が訪れる神社でもあります。
吉原神社の社務所では2種類の御朱印をいただくことができます。
それは「吉原神社の御朱印」と「吉原弁財天の御朱印」です。初穂料は各御朱印300円をおさめます。
吉原神社の御朱印は抱き稲の社紋が中央に押してあるシンプルなものです。
対する吉原弁財天の御朱印は、ユニークな御朱印ということで話題になっています。
弁財天のお使いが「ヘビ」であることから、吉原の「よし」がヘビのようなデザインになっているのです。
よく見ると、文字の先がヘビの顔になっているように見えます。なんとアートな御朱印なのでしょうか。墨のかすれ具合や描く人の達筆さなどで、御朱印にも個性が出ますが、この吉原弁財天の御朱印も、描く人によって千差万別です。
この御朱印が話題になるのも分かりますね。吉原神社の社務所は鳥居をくぐってすぐ左にあります。御朱印をいただくことができる時間は午前9時から午後4時までです。
年始は七福神巡りの参拝者で混雑しますが、その他の時期は比較的スムーズに御朱印をいただくことが可能です。
友達に自慢したくなる吉原神社の御朱印は是非、手に入れたいですね。
吉原神社の歴史

吉原と言えば、昔から遊郭のあった場所として有名ですが、吉原神社はまさに遊郭と縁の深い神社です。
吉原神社の御由緒
吉原神社は、元々吉原遊郭にあった五つの稲荷神社、玄徳(よしとく)稲荷社・明石稲荷社・開運稲荷社・榎本稲荷社・九郎助稲荷社と、遊郭に隣接する吉原弁財天を合祀し総称して吉原神社になります。
稲荷五社のご祭神は倉稲魂命(うがのみたまのみこと)です。倉稲魂命は五穀豊穣をつかさどる神様で、浅草の人の信仰が厚い神様なのです。それと同時に、吉原遊郭で働いていた女性たちからも親しまれていました。
吉原弁財天のご祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)です。
開運、財運、芸能上達などの神様でまさに遊郭にはピッタリの神様ですよね。その他にも地主神である玄徳稲荷社も合祀されています。
関東大震災で社殿が焼失してしまいますが、昭和9年に社殿を新たに建立しました。
吉原遊郭
吉原遊郭は江戸時代に作られた場所です。
元々その地には葦という稲のような植物が生い茂っていて、葦原(よしわら)と呼ばれていました。そこから転じて「吉原」になったと伝えられています。
こちらが葦原(よしわら)、季節によって景色がだいぶ違います。

当時は吉原の遊女達からの信仰が厚く、現在でも女性の様々な願いを叶えてくれると信じられています。
吉原遊郭の歴史と共に歩んできたのが吉原神社なのですね。
御朱印をいただく時も、何も知らなければ、ただいただいておしまいですが、こうした歴史を知ることで、この場所が特別なものに感じられますね。
吉原神社の弁財天とご利益
吉原遊郭にちなんで、吉原神社にお祀りされているのは、紅一点の弁財天になります。
浅草名所七福神

吉原神社は浅草名所七福神(九社寺)で弁財天様になっています。
浅草七福神巡りでは、七福神ですが九つの社寺を巡ります。
「九は数の究み、一は変じて七、七変じて九と為す。九は鳩で。これは集まるの意味の他、天地の至数、易では陽を表す。」の故事に由来しているといわれる。
御朱印色紙はもちろん、他とは違った珍しい福笹・福絵などもあるようです。
吉原神社のご利益
弁財天は弁舌・音楽・財福・知恵などをつかさどるインドの女神として知られています。
その像は美しい顔を持ち、琵琶を弾いている姿が印象的です。その琵琶は美音をもって衆生を喜ばせるのだとか。日本では吉祥天と混同されて財宝を与える神として信仰されていました。
吉原弁財天が祀っているのは市杵島姫命なので、芸能や芸術関係の仕事や学生、または芸能人に大きなご利益をもたらすとされています。
一方で吉原神社に祀られているのは、倉稲魂命なので五穀豊穣をつかさどる、人が生きていく上で欠かせないご利益をいただけるでしょう。
どちらの神社も吉原の遊郭から絶大な信頼を寄せられていました。
そんなところから、古くから女性の味方をしてくれる、女性の願いを叶えてくれるというご利益があります。吉原神社で御朱印をいただけば、御朱印がまさにお守りです。
女性は特に歓迎されるはずなので、礼儀正しく参拝すれば、難しい願いも叶えられるかもしれませんね。

もちろん、美しい弁財天に会いたいという男性の参拝も歓迎です。
万人に分け隔てなくご利益を与えてくれそうな、優しい空気が流れていますよ。
