では、日本らしさを非常に感じさせてくれる「藤」の、スピリチュアル的な意味やエピソードなどには、どのようなものがあるのでしょうか?
科・属:マメ科 フジ属
原産地:日本、北アメリカ、ヨーロッパ
品種:日本の藤は主に5種、海外種もあり
開花時期:4月〜6月
英語名: Wisteria (ウィステリア)
和名:藤、ノダ藤、山藤
花言葉【藤】の意味
「藤」には、『歓迎』『豊穣』『奇跡』『決して離れない』などの花言葉があります。
「藤」の花のその垂れ下がった姿が、人を招いているように見え、また「藤」の花を見にきてくれたことに感謝してお辞儀をして歓迎しているようにも見えることから、『歓迎』という花言葉が付けられています。
また、その花の姿が稲穂のように見えることから『豊穣』という花言葉も持っています。
「藤」の花の読み方から「不死」と考えたことや、また不治の病を治す力があったとされる伝説から『奇跡』という花言葉も存在しています。
一方で、「藤」はそのやさしい花の雰囲気に反し、ツルがどこまでも伸びてしっかりと絡みつく様子から『決して離れない』という花言葉があります。
一見、「あなたとずっといっしょにいたい」とロマンチックなように感じるかもしれませんが、実はまるで「死んでもあなたを離さない」ともとれるような、少し怖さを含む花言葉なのです。
もし「藤」の花をプレゼントするのであれば、『決して離れない』という花言葉は使わないほうが無難でしょう。
「藤」には白、紫が存在し、それぞれの花言葉は下記の通りです。
白色の「藤」の花言葉
可憐・恋に酔う
白い「藤」の花は、見た通りに清楚であり、日本女性を思い出させるような可憐さを感じることから『可憐』という花言葉が選ばれています。
『恋に酔う』は、源氏物語の「藤壺」の話になぞらえて、光源氏が義理母に恋心を抱いた姿を「藤」の花に重ねたものです。
紫色の「藤」の花言葉
愛に酔う
紫色の「藤」は、愛し合うふたりがまさに今、お互いの気持ちを最高潮に高ぶらせている様子を、その甘い香りから連想して付けられた花言葉です。
愛する恋人に、あるいは愛を告白したいときに、ぜひプレゼントしてみたいお花ですね。
【藤】にまつわるスピリチュアルなお話
「藤」の花には、あるエピソードが日本に残っています。
最も有名なお話は、光源氏が5歳ほどしか年の違わない義理の母である「藤壺女御(ふじつぼにょうご)」に、実母の面影を合わせて恋に落ちるというお話です。
義理の母と恋に落ちても道ならぬ恋ゆえに、藤壺女御の姪である「紫の上」を自分好みに育てあげて、妻として迎えました。
しかし、やはり光源氏は藤壺女御を忘れられず、ドロドロとした三角関係に陥って男の子をもうけてしまいます。
この物語に登場する「藤」と「紫」は、「藤」の花を思わせ、ここから「恋に酔う」という花言葉が生まれているのです。
また、恋とは違った伝説も存在しています。
その昔、不治の病に苦しむ娘が住む農家に、ある旅の僧侶が訪ねてきました。
その僧侶は娘を見ると、その家にあった「藤」の花をお寺に収めるようにと指示し、それにしたがってお寺に収めたところ、娘の病は完治したのでした。
この言い伝えの元となった「藤」の木は、実は今も埼玉県に「牛島の藤」として存在しています。
一方、「藤」の花が怖いというイメージを持つようなお話もあります。
女性らしさを漂わせる「藤」の花ですが、夜になると「藤」の木の下に女性の幽霊が表れて、気に入った男性をしっかりと抱きしめて、その男性の命を奪ってしまうという、こわい伝説も残っているのです。
「藤」の花は、俳句や短歌などにも多く読み込まれています。それらを読み解くと、ある時代には、その上品な紫色が高貴で、位の高い人を表す色であるとされていました。
ところがある時代には、麻布で作られた喪服が紫色をしており「藤衣」と呼ばれたことから、「藤」の紫色は縁起が悪いと考えられるようにもなっていました。
【藤】が誕生花の日
「藤」は、4月1日、5日、29日、5月8日、21日、31日の誕生花です。
「藤」の花は、色別の誕生花はありません。
【藤】を使って運気をアップする方
「藤」にはその香りの高さから、奇跡や幸運、魔法のパワーを引き寄せるという言い伝えも残っています。
その一方で「藤」の花は垂れ下がって咲くことから、エネルギーを下げるということで、縁起が悪いと考える人もいるようです。
しかし、藤のツルはしっかりとしていて長く上に伸びることから、延命長寿、家運繁盛など、縁起がよいと考える人も多いのです。
「藤」の花は、女性らしさを強調してくれる花でもあり、「藤」の花がデザインされた振袖を着てみれば、あなたの魅力も数倍アップしそうです。
また「藤」の花の夢を見ると、夢が次々とかなう、最高の吉夢だとされています。まさにチャンス到来!そんな感じの夢なのです。
ただし「藤」の花が散る夢は、逆にいろいろなものを失ってしまう凶夢となるので、気をつけましょう。
「藤」の花は、庭に植えると運気が下がると風水では言われていますが、鉢植えの「藤」を南西に飾れば、家庭運、恋愛運がアップします。
まとめ
「藤」の花はその甘い香りと美しい姿から、よく女性に例えられるお花です。その花言葉も女性にまつわるものがある一方、そのツルの頑丈さから絡みついたら話さないという意味の怖い花言葉まで存在しています。
