
インドにもたくさんの神様が存在し、その中のひとつには、かつてドラマ化もされた「夢をかなえるゾウ」という小説にも登場する象の姿をした神様の「ガネーシャ」がいます。
日本の神様と共通するような神様もいれば、ユニークな性質のインドの神様もいるようです。では、インドの神様にはどんな御利益があるでしょうか?
ガネーシャ
インドの神様の中で、おそらく最も有名な存在が「ガネーシャ」です。
ユニークな象の顔に、人間の身体、そして片方の牙が折れ、4本の腕を持ちます。財産や富をもたらし、魔除けの意味もあるようで、絶大な人気を誇る神様です。なんでも女神バールヴァティーが自分の垢を集めて人形を作り、それに命を吹き込んで息子にしたそうですが、女神の夫であるシヴァがそうとは知らず、その息子の首を切り落としてしまいます。
嘆き悲しむ女神を見てあわてたシヴァが、家来になんでもよいから首を持ってこいと命じ、持ってきたのが象の首だったのだとか。その象の首を息子の胴体につなげて生き返らせたのがガネーシャなのです。
なんでもガネーシャは、ネズミに乗って移動するとされており、その性格は見かけ通り、かなりユニークとされています。癇癪持ちであったり、嫉妬深かったり、わがままであったりと、なんだか神様らしくないような感じですね。
実はこのガネーシャ、平安時代には日本にもやってきていて、日本では聖天さんと呼ばれており、十一面観音菩薩の化身であるとされています。
ラクシュミー
海の泡から誕生した、ヴィーナスのような美人の女神がラクシュミーです。
ヒンズー教の最高神のひとりであるヴィシュヌの妻。この神様は、ガネーシャと仲好しだったとされています。ラクシュミーひとりでは、それほど御利益をもたらすとは考えられていないようですが、お友達のガネーシャと夫のヴィシュヌの力を借りて、3神が揃えば最強の富と幸福をもたらす神としてのパワーを発揮するのだそうです。
日本では吉祥天として知られており、商売繁盛、家内安全、金銭運をもたらすと考えられています。
ブラフマー
ヒンズー教の創造神のひとりであるブラフマーは、古代インドのバラモン教の神のひとりでもありました。
ヒンズー教においてはシヴァ、ヴィシュヌと3大神として知られています。それぞれ東西南北を向く4つの顔を持ち、もともとは宇宙を成り立たせていた神であったのですが、一般の人には理解しがたい宇宙理念を持つ神様であるがゆえ、最近ではヒンズー教においては、人気の低い神様になってしまいました。
苦行を乗り越えた者には、たとえ魔物であっても願いを叶えたために、その魔物たちが神々に襲いかかって問題が起こったこともあるそうです。ところがタイでは、願いごとを叶えてくれる神様として人気が高く、エーラーワンの祠という有名なブラフマー寺院もタイに存在しています。
ブラフマーは日本では梵天として知られており、立身出世などの御利益があるとされています。
ヴィシュヌ
蛇に乗り、世界を守る最強の神様のひとり。もともとは太陽神でしたが、だんだんと神としての地位を高め、最後には宇宙をも司る最強の神となったのです。美しい女神、ラクシュミーを妻に持ち、繁栄の象徴とされ、多くの神の複合体とも考えられています。創造を司るブラフマー、破壊・再編を司るシヴァと共に維持を司るヴィシュヌは、ヒンズー教の3大神です。
手が4本あり、ややプレイボーイであったとされる説も存在しています。またアヴァターラ(化身)をもっている唯一の神であり、映画などで使われた「アバター」の語源となっている神様です。人間を救うために人間の姿になって地上に現れることもあるのだそうです。
この神様は、魔除け、無病息災、旅の安全などにご利益があります。日本では毘紐天(びちゅうてん)と呼ばれており、インドでは鬼神と考えられている、阿修羅と戦う神とされています。
シヴァ
シヴァは世界の破壊と再生を司るパワフルな神様です。
一見こわそうに感じてしまいますが、実は優しくて思いやりの深く、人びとの病気も癒していたのだそうです。また踊りの神様としても知られており、彼が踊ることで世界が滅び、また再生するとされています。
なんでも不老不死の薬を悪魔と神様が手を組んで造り出したとき、その秘薬で新しい世界を作り出そうとしたところが、逆に世界に毒を撒き散らすことになり、世界が滅びそうになったことがあったのだとか。そのときシヴァが世界を救うために、その毒を飲みほし、そのためにシヴァの顔や首は、青色になったのだとされています。
シヴァの御利益は医学、病気平癒、子宝、厄除けなどがあります。日本では大黒天と呼ばれており、五穀豊穣、商売繁盛、出世などの御利益があります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
インドの神様は、日本の神様に比べるとやはりユニークで個性豊かなようですね。日本の神様にもたとえられているのが意外ですが、日本の神様に比べるともっと活発で、身近な存在になりえるような感じがしてしまいます。
