なにをするにも、先立つものがなければどうしようもない……そんなふうにいわれるほど、お金は大きな存在です。場合によっては、お金があるかどうかで人生が変わることもあるでしょう。
ただし、お金さえあれば、それで幸せになれるのかというと、実はそうではないのです。今回は、お金があっても不幸な人の共通点を7つご紹介していきます。
目次
ブッダはなぜお金持ちから出家したのか?
ブッダ、つまりお釈迦さまは、もともとすごくお金持ちの家に産まれました。カースト制度でいうクシャトリヤ階級(バラモンの次)ですから、一切の不自由はなかったでしょう。しかし、29歳のときになにもかもを捨て、出家してしまうのです。そして生まれた教えの1つが、「世の正しいありかたを見きわめなさい。そして努力をし、自身の道を切り開きなさい」というもの。
これは、お金や物質、知識、仕事、人間関係、趣味、健康などどんなものよりも、人格を向上させることが大事だという教えです。なにごとにおいても、どんなときでも、「それは自身を成長させる選択か?」を考え、行動しなさいということですね。お金や地位が幸福をもたらすわけではないというのを、身をもって実感したブッダだからこそ達した境地だといえるでしょう。
お金があるのに不幸な人に共通する7つの特徴
お金があった結果、悟りを開いたブッダ。では、現在進行形でお金があるのに不幸な人にはどんな特徴があるのでしょうか。
【人とのつながりが薄い】
お金では買えないものの1つが、信頼とか、絆です。人とのつながりが薄い、たとえばなんでも話せる友人がいなかったり、家族と疎遠だったりすると、心は満たされないでしょう。人は、尊敬する人や、好きな人から受ける影響もかなり大きいです。ブッダの教えでいえば、成長するための学びがそこにもあるということ。そんな人とのつながりが薄い場合は、自身を不幸だと感じることもあるでしょうね。
【ムダづかいが多い】
お金があると、欲しいものは買えます。しかし、余裕があると、少し「いいな」と感じただけでも買えてしまうので、結果的に満足感が少ないのです。そんなことが続くとむなしさばかりが大きくなり、自身を不幸だと感じるでしょうね。まさに、ブッダが悟りを開くに至った「お金や地位が幸福をもたらすわけではない」という気づきそのものだといえるでしょう。
【目標や目的がない】
お金があるのに不幸な人は、目標や目的がないというケースが多いです。たとえば、なにかを買うためにがむしゃらに打ち込むなどがありません。もちろん、目標とか目的になり得るのは、お金で買えるものばかりではないでしょう。しかし、お金があると生活していくのに困らないため、努力の必要なものからは無意識に遠ざかろうとするのです。これは、ブッダの教えでいう自らの成長がないという状態だといえるでしょう。
【お金のつかいかたが間違っている】
お金を「欲しいものを手に入れる」ためではなく、「だれかに勝つ」ためにつかっていると、その人も不幸になりやすいです。小さなことでは、オークションで相場以上の入札をするのもそうですし、ほかにも、応援する人のためにお金をつぎ込むのもそうでしょう。
場合によっては、ライバルの邪魔をするために必要のないものを横取りするというのもあるかもしれませんね。これは、ブッダの教えの根源である、「その選択や行動は自分を向上させるか」に対して明らかなノーだといえるでしょう。
【感謝の気持ちがない】
お金があると欲しいものが買えるので、自分がなにかを「もっている」そこに「ある」のがあたりまえになっていきます。もちろん上を見るとキリがないので、自覚としてはまだまだ足りないということになるかもしれませんが、そうするとますますささやかな幸せには気づきにくくなっていくのです。
たとえば、日差しのあたたかさや人とのふれあいとか、ちょっとした幸福は日常の中にあふれているもの。それらに気づけないことが不幸を生み出すのだといえるでしょう。これも、「お金があっても幸福とはかぎらない」というブッダの気づきに基づくものです。
【進む方向が決められている】
お金がある人は、あるていどの地位や家柄をもっている場合もあるでしょう。そうすると、人生のレールがすでに敷かれているかもしれません。たとえば、家を継ぐために仕事を決めるなど。もちろん、自身が納得してその道を選ぶのなら問題ないのですが、ほかにやりたいことがあるのなら、その人生そのものが不幸だと感じるかもしれませんね。
やりたいことがあるのにできない、それはつまり、ブッダのいう自身を成長させる選択ができないということなのです。
【万能感がある】
お金があることをなんでもできると勘ちがいしてしまうのも不幸の一因です。世の中には、お金がないとできないこともたしかにありますが、お金があってもどうしようもないものもたくさんあります。
たとえば、能力や魅力などもその一つ。それらを手に入れたり、磨いたりする手段はあるのに、お金があるだけで万能感をもってしまうと、自身が満たされていないと感じてしまうでしょう。これは典型的な、ブッダの教えである自身を成長させるための努力をしていない状態です。
まとめ
お金はたしかに、ないよりはあったほうがいいですが、大事なのはその先にあるもの。お金を手に入れることを目的にするのではなく、なにかをするためにお金を得る……そんな意識をもっていたいですね。