有名な画家が残した絵画や彫刻、装飾品などレプリカを見たことは多数あっても、本物を目にすることはそうありません。世界には本物を見ることの出来る美術館があるんです。中には建物自体に価値のある美術館や世界中の人が注目する美術館など一度は見ておきたい世界の美術館があります。世界規模の芸術に触れる旅はいかがですか?
ルーブル美術館(フランス)
古い歴史を持つ美術館といえばパリにあるルーブル美術館が有名です。
街の中心に位置し、その存在感は世界中の人に認められているほどです。元はチュイルリー庭園とともに国王の宮殿であった建物がそのまま美術館に利用されています。ここには世界一有名といっても良いほどの有名絵画である、レオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナリザや古代ギリシャ彫刻であるミロのビーナスなど、誰もが一度は見たことのある超有名作品が揃っています。
特に美術館に興味のない人でも、パリを訪れたのであれば絶対に訪れておきたい美術館です。館内はもちろん世界規模で広いので、とにかく有名作品を見たいという人は2階を中心に回ると良いですよ。
他にもダヴィット作の「ナポレオン1世の戴冠式」やドラクロワ作の「民衆を導く自由の女神」等の絵画や、頭部のない翼の彫刻「サモトラケのニケ」もお馴染みの作品です。世界の有名作品が集められているので、あなたのお気に入りを見つけるのもおすすめです。まさに世界最高峰の美術館といえるでしょう。
メトロポリタン美術館(アメリカ)
アメリカにある美術館と言えばメトロポリタン美術館が有名ですね。
名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。世界最大級を誇るこのアートの殿堂は1日では到底、回ることができないくらい広いです。
1866年7月4日のアメリカ独立記念日に構想がスタートし、4年後に開館されました。世界中の様々なコレクターからの寄贈により、現在では絵画・彫刻・写真・工芸品ほか家具・楽器・装飾品など、その数は300万点以上に上ります。
展示数ではまさに世界一の美術館です。メトロポリタン美術館が誇るコレクションの中でも1番充実しているのは、エジプト古代美術です。数万年前に作られたとは思えない、ミステリアスな装飾品やミイラの神秘的な世界観には魅了される人が続出です。
ヨーロッパ絵画の世界では美術の教科書や資料集などで見る、ゴッホやモネの絵画が所狭しと展示されています。ギリシア・ローマ美術では見事な彫刻が並びます。約3万5千点に及ぶコレクションは、どれも美しく見ているこちらが圧倒されてしまいます。
美術館としての本質を忘れずに貪欲にコレクションを集める姿勢と、それを公開、展示、保存できる環境こそ、世界の人に支持される1番の魅力なのかもしれません。
プラド美術館(スペイン)
カルロス3世の命で1785年に自然科学展示場として設計された、スペインでも歴史ある美術館がプラド美術館です。
あまり名前を知らないという人もいるかと思いますが、外観を見るだけでスペインが誇る世界有数の美術館であることが伺えます。開館当初はわずか311点の王家のコレクション絵画だけでしたが、今では約8000点もの作品が展示されています。
プラド美術館で最も有名な作品とも言えるのが宮廷画家ディエゴ・ベラスケスの作品である「ラス・メニーナス(女官たち)」です。マルゲリータ王女を中心にした家族の肖像画で、ベラスケス自身も描かれています。後にピカソがこの絵画を独自のタッチで真似たことが世界で話題になりました。
ピカソ版ラス・メニーナスはバルセロナのピカソ美術館に展示されています。同じくスペインを代表する画家であるゴヤの作品も見逃せません。宮廷画家であったゴヤは後に聴力を失い、次第に社会批判の風刺へ傾倒していきます。
そんなゴヤの人生を作品を通して眺めることができます。他にもラファエル・サンティ・デ・ウルビノの「枢機卿」、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「馬に乗ったカルロス5世」など注目作品が揃った美術館です。
バチカン美術館(ローマ)
圧倒される存在感を放つ外観とその広大な敷地で、世界的に有名なのがバチカン美術館です。
中世時代に創設され、1503〜1513年に在位したユリウス2世によって、バチカン宮殿内の「ベル・ベデーレの中庭」に古代彫刻を配置したことから始まったそうです。
ローマ郊外で発掘された古代美術遺跡やミケランジェロやラファエッロなど世界的に活躍していた芸術家の作品が集められています。数百年の歴史を重ねて巨大な美術館へと成長したバチカン美術館の展示コースは、全長7キロにもおよびます。全部じっくり見たいとなると1週間は通い詰める必要があるでしょう。
人気のある見どころを中心に時々立ち止まりながら、通常速度で回っても5時間はかかると言われています。見どころとしては、ユリウス2世の部屋だったところの壁にラファエロが描いたフレスコ画が残されている「ラファエロの間」です。教科書で見た「アテネの学堂」を目の前に見ることができます。「システィーナ礼拝堂」はバチカン美術館の代名詞とも言える最も重要で人気の高い作品です。
ミケランジェロの天井画と「最後の審判」が描かれた美しい礼拝堂で、現在もローマ法王の選挙が行われる重要で神聖な場所となっています。他にも数々の世界的に有名な作品を目の当たりにできる美術館です。
エルミタージュ美術館(ロシア)
ロシアにある美しい美術館で有名なエルミタージュ美術館は、元々はロマノフ王朝の歴代の皇帝の冬宮で、エカテリーナ2世をはじめとする歴史上の大人物が実際に住んでいた場所です。
エカテリーナ2世の絵画コレクションを展示する宮廷美術館から始まり、今では約300万点の所蔵作品を有する世界的に有名な美術館になりました。
レオナルド・ダ・ヴィンチを始めとする展示絵画はもちろん素晴らしいのですが、世界の人を魅了しているのは各部屋の意匠を凝らした装飾と調度品の数々です。外観も圧倒される美しさなのですが、それは室内も同じでどの部屋も息を呑むほどの荘麗さなのです。まさに建物自体が一つの芸術品になっています。
エルミタージュ美術館は世界中の猫好きが集まる美術館としても有名です。なんとエカテリーナ2世が正式に「絵画護衛官」に任命している60匹以上の猫が雇われています。主な仕事は館内のネズミ取りですが、写真入りの身分証明書が発行されているというこだわりぶりです。
3人の専任担当者がいてすべての猫の名前を覚え、日々の食事の支給から健康管理まで手を抜かないそうです。世界でも珍しい猫の絵画護衛官に会える美術館です。
まとめ
世界の素晴らしい美術館はいかがでしたか。世界には未知の世界を運んできてくれそうな美術館が存在しています。一度ならず二度、三度と足を運びたくなる世界の美術館の魅力にどっぷりハマった旅になること間違いなしですね。