
ハワイ諸島に属するマウイ島は、ハワイ島に次ぐ広大な面積を持ち、土地の高低差が大きいことで豊かな自然を生み出しています。太陽が降り注ぐリゾート地やビーチ、緑濃い秘境、火山や商業地区など、バラエティー豊かな表情を見せてくれるマウイ島には、どのような歴史や文化的なスポットが存在するのでしょうか?
マウイ島の歴史

「渓谷の島」とも呼ばれるマウイ島。その「マウイ」という名前はイタズラ好きのポリネシアの半神、マウイから取られたことは有名です。
マウイはハワイ諸島を発見し、最初に定住したと言われるハワイロアと呼ばれている伝説の人の息子であるとされています。
特別な能力を備えていたマウイは、自然界を自由に操り、人々の生活が楽になるように空の高さを高くしたり、太陽の当たる時間を長くしたりと活躍したのです。
またマウイ島はカメハメハ大王がハワイ諸島を統一するときの足掛かりとした場所でもあります。
カメハメハ大王は1790年にマウイ島のイアオ渓谷のケパニヴァイの戦いで勝利したのちに、ハワイ統一を成し遂げたのでした。
その後カメハメハ大王は1975年にハワイ王朝を建て、マウイ島のラハイナをハワイ王朝の首都としていたのです。
捕鯨の町ラハイナ

西マウイにあるラハイナは、ハワイ語で「灼熱の太陽」を意味しています。太陽がいつも燦さんと降り注ぎ、マウイ島の中でも非常に気温の高い地区なのです。
ラハイナのフロント・ストリートには、多くのレストランや商業施設が建ち並び、アメリカ本土からの芸術家たちが棲みついたり、賑やかな観光スポットになっています。
ラハイナはその昔、ハワイ王朝の首都が1845年にホノルルに遷都されるまで、首都として栄えた場所でした。
19世紀になると世界各国から捕鯨のための帆船がラハイナに入港し、捕鯨には欠かせない港のひとつとなってゆきました。
その時代、クジラは鯨油や鯨蝋が今の石油の代わりとなって重宝され、また鯨のひげで作ったお皿や工芸品なども人気があったため、クジラは捨てるところがないほど、非常に需要の高い商品だったのです。
またラハイナは、捕鯨のために立ち寄る船が、航海に必要な物資を購入する寄港地としても利用され、非常に重要な役割を担っていたのです。
マウイ島のサトウキビ

19世紀、ハワイには日本から多くの人が移住し、プランテーションにおけるサトウキビ産業に従事していました。
もともとサトウキビは、ポリネシアの人々がハワイに持ち込んだ作物です。16世紀ごろになるとサトウキビの耕作がハワイ中に広がるようになりました。
西暦450年頃に最初にハワイに持ち込まれたサトウキビの原種は、なんと今もマウイ島のハナ地区で生息しています。
マウイ島の中央部にある、プウネネにある「アレクサンダー&ボールドウィン砂糖博物館」では、その歴史を垣間見ることもできます。
サトウキビはハワイにとって長年の主力産業のひとつでもありましたが、残念ながら商用のサトウキビ畑は、2016年に上記の「アレクサンダー&ボールドウィン社」が所有していたハワイ最後のサトウキビ畑も廃業となり、現在はハワイ州での商用のサトウキビ栽培は行われていません。
サトウキビ栽培が盛んであった時代の雰囲気を楽しむべく、「サトウキビ列車」がラハイナとカアナパリの間で運行されていたのですが、これも今では営業終了となってしまいました。
マウイ島7つの聖なる池

マウイ島のハレアカラ国立公園の中にあり、美しい街、ハナの少し先にあるのが7つの聖なる池と呼ばれているオヘオ・プールです。
ハレアカラ山から流れ出た渓流により長年にわたり浸食されてできたのがこのオヘオ・プールで、ハレアカラ山から流れ出た水は段差のある滝を次々と流れ、このオヘオ・プールを通って海へと流れ出ています。
実際には7つ以上の池が存在しており、滝や池だけでなく、すばらしい自然に囲まれた神秘的なスポットでもあります。
この天然のプールで古代ハワイアンたちは、禊を行っていたと言われ、浄化と癒しのスポットとして、今も地元の人たちにも愛されている場所のひとつなのです。
マウイ島パニオロの文化

マウイ島のカフルイ空港からハレアカラの麓に向かうと、マカアオという小さな町が存在します。
この町はノスタルジック・ハワイを感じさせてくれるような可愛い町で、昔からパニオロ(カウボーイ)タウンとも呼ばれていました。
マカアオはもともとサトウキビのプランテーションで働く人々のためにできた町で、周辺には牧場が多く、その結果としてカウボーイたちがよく立ち寄る場所となったのです。
なぜカウボーイがパニオロと呼ばれるのかと思ってしまいますが、元々ハワイには牛馬は存在せず、外来より持ち込んだものの、それらが野生化して町を荒らしてしまいます。
そこでカメハメハ3世が1832年にメキシコから牧畜技術を導入することにし、その結果としてメキシコからカウボーイたちがハワイにやってきたのです。
そしてスペイン語を話す彼らのことである「エスパニョール」が変化してパニオロになり、それ以後パニオロは、ハワイではカウボーイを意味するようになったのです。
パニオロはハワイの文化のひとつとしてハワイに根付き、ハワイで行われるパレードなどには必ずといってもよいほど、パニオロたちが馬に乗って登場しています。
マウイ島スピリチュアルなカアナパリ

マウイ島の西にある白い砂が長く伸びる美しいビーチ、カアナパリ・ビーチはアメリカでは最高のビーチと称されたほどの美しさを誇ります。
現在、この地区には有名なゴルフトーナメントが開催されるゴルフコースや、リゾートホテル、ショッピングスポットが多く建ち並び、観光スポットのひとつとしてにぎわっています。
もともと風光明媚でエネルギーもすがすがしいことから、この地は昔からハワイの人々にとって憩いの場所であり、またマウイの王族たちの保養地でもありました。
その一方で、この地は多くの歴史的な出来事が繰り返された地でもあります。王族同士の戦いが繰り広げられたり、有名な酋長のカヘキリが兵士たちに忠誠を誓わせるために、カアナパリにある岩から海へと飛び込むゲームに挑戦させたりしていた場所だったのです。
カアナパリで、岩が海に突き出ている「ブラック・ロック」と呼ばれる崖が連なった場所が存在しています。カヘキリの兵士たちが行った飛込のゲームの場所でもありますが、ここは古代より神聖な場所と信じられており、それと同時に死者の霊がここから霊界へ飛び立つ場所とも考えられ、一般の人々からは恐れられていました。
現在ではこのブラック・ロック周辺は、有名なダイビング・スポットになっています。
まとめ
いかがでしたか?今は観光地として栄えるマウイ島には自然が織りなす魅力的なエネルギーが流れ、多くの人たちが培ってきた歴史や文化がたくさん存在しています。
そんなユニークで楽しみ方が豊富なマウイを満喫するためにも、ぜひマウイ島の歴史や文化にも一度触れてみてください。
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