世界の自然に着目する人は多いものの、更に絞り込んで樹木に注目してみるのも面白いです。世界には見たこともないような樹や美しく癒される樹が存在します。そんな世界の珍しい樹を見に行く旅もマニアックで面白いのではないでしょうか?
モンキーポッド(オアフ島)

世界にある樹でありながら、日本でも知っている人が多いのがオアフ島に存在する「モンキーポッド」です。モンキーポッドと言われてもどこが有名なの?という感じですが、「この樹なんの樹〜」という歌を聞けば、誰もがピンとくるでしょう。
日立グループのCMでも使われていることで有名になりました。中南米原産のマメ科の世界の植物です。
モアナルア・ガーデンパークの真ん中にひときわ目立つ樹なので、行けばすぐに分かります。まるで大きな傘のような形をした可愛らしい樹ですね。実はこの樹、夜空や曇り空の下では、おじぎ草のように葉を閉じています。雨が降る前には葉を閉じるからなのか、閉じた葉が雨をさえぎらずに地面に届けるからなのか、世界では別名「レイン・ツリー」とも呼ばれているんです。
樹のイメージが大きいですが、シーズンになると糸状でピンク色のきれいな花がたくさん咲きます。そして夕方になるとしなだれてくるのが特徴です。樹のバランスが素晴らしく遠目で見るとこじんまりとして見えますが、近づくと意外にも大きいことにビックリします。幹も枝も太く人が5人で手をつないでやっと1周できるくらいなんですよ。
この樹は、ホノルル市に「特別な樹」と指定されており、市議会の承認なくしては動かしたり伐採したりすることができないようになっています。世界旅行でハワイに行った際には是非、見てみたいですね。
ドラゴン・ブラッド・ツリー(ソコトラ島)

インド洋に浮かぶソコトラ島に生息するドラゴン・ブラッド・ツリーは、日本名で「竜血樹」と呼ばれています。世界でも有名なこの樹は見た目にもインパクトがあり、ちょっと怖いイメージを受けますね。
怖いと言えばこの樹の名前に「血」とか「ブラッド」という言葉が入っています。見た目もネーミングも幻想世界からやって来たような樹ですが、この名前にはちゃんと理由があります。
実はこの樹、切ると樹液が真っ赤なので、まるで樹が血を流しているように見えるのです。世界の人からは別名「流血樹」とも呼ばれているくらいです。赤い樹液はうっすら赤いのではなく、本当に真っ赤なので樹を切る度に、樹の叫び声が聞こえるのではないかと躊躇してしまいそうです。
この樹液の固まったものを「シナバル」といって、現地では古くから傷口の炎症や、出産の止血、ニスや塗料などに使われていたそうです。見た目はインパクト大ですが、世界では様々な用途に使われる大切な樹なのです。その見た目と希少性から高値で取引されることもあるようですが、今では地球温暖化の影響で絶滅が危惧されている珍しい樹です。世界でも有名な樹なので、一度は見ておきたいですね。
バオバブ街道(マダガスカル)

世界のマダガスカルといえば、手つかずの自然があふれる場所であり、世界でも希少な動植物が生息することで有名です。そんな動植物を一目見ようと、世界中から観光に訪れる人が多いですね。
そんなマダガスカルに「バオバブ街道」と呼ばれる道があります。一度見たら忘れられない樹と言われているバオバブの樹、現地の人にとっては日常の景色の一つですが、世界中からバオバブ街道を一目見たいと観光客が訪れています。
バオバブとは、サバンナ地帯に生息する、高さ20メートル、太さが直径10メートルもある樹のことです。見上げるほどのバオバブがいくつも並ぶ光景は圧巻です。こんなにどっしりとしているバオバブですが、中は空洞であることが多く、年輪がないので樹齢を知ることは難しいそうです。
バオバブといったらサンテグジュペリの「星の王子さま」でバオバブの木が星を爆発させる…なんて物語に出てきたりしますよね。星の王子様は世界的にも有名なので、そこから世界の人が見に来る観光地になったのかもしれません。
巨人が引っこ抜き逆さまに植えたように見えると言う人もいて、ファンタジーな想像も出来そうです。バオバブは世界でもマダガスカルを含め、数カ国にしか存在していない、かなり珍しい植物です。チャンスがあれば見ておきたい樹です。
エンジェルオークツリー(アメリカ)

アメリカのサウスカロライナ州のジョーンズ島に「エンジェルオーク」と呼ばれる樹があります。「天使」という言葉が名前に入っているものの、実際は枝を地面にまで這わせる巨木で樹の妖怪といった趣があります。
ゴツゴツした主幹から上下左右に複雑に幹を延ばしているので、夏は日陰が広い範囲に作られて、地元の人々の憩いの場にもなっています。地面を這うような最も長い枝は、最長で30メートルを超えるものもあるそうです。
樹齢は1500年を超えているとも考えられています。1500年前というと、世界的に有名なコロンブスがアメリカ大陸を発見するよりも前からあった樹ということになります。日本では聖徳太子が生まれるより、もう少し前になるでしょうか。まさに世界の動きをずっと見続けてきた樹ということになりますね。
近年のハリケーンで大きな被害を受けたこともありましたが、その傷もすっかり回復しました。樹齢が長いのにものすごい生命力に溢れているのが分かります。現代に残されていることが、奇跡ともいえる樹なんです。世界の人にも親しまれているエンジェルオークツリーは一見の価値ありです。
ハイペリオン(アメリカ)

アメリカの密林にひっそりと立っている世界で1番高いセコイアの樹です。ナチュラクリス・アトキンスとマイケル・テイラーによって2006年8月25日に発見されました。
当時は「ヘリオス」という樹が樹高世界一だったのですが、わずか3ヶ月でその王座を譲ることになりました。その高さはなんと115.61メートルもあり、直径は4.84メートルにもなる巨木です。同じ森に生息する他の木々を悠々と超えて1本だけ突き出しています。
樹齢は600年〜800年と言われています。世界中から注目されているハイペリオンですが、実はこの樹が存在しているのは奇跡に近いといいます。この一帯は70年代にほぼ伐採しつくされており、ハイペリオンが生息する100メートル先あたりの木はすべて切り倒され、一帯は荒涼となっているのです。
そしてハイペリオンやその周囲が採伐される数週間前、この辺り一帯は国立公園に認定されたので伐採の危機を逃れることができました。全体的に見るとセコイアの樹はほとんど切り倒され、現在では4%しか残っていません。
ハイペリオンは樹の中では若い方なので、これからもまだまだ成長すると考えられていて、まだ高くなる可能性を秘めているのです。一目見たいけれど、樹を守るために正確な場所は公表されていないそうです。
まとめ
世界のおすすめの樹はいかがでしたか。世界に目を向けると樹にもそれぞれ個性があって、生き方があって、歴史があるのが分かります。その樹が生きてきた背景や奇跡を通して、考えさせられることも多いですね。世界の樹は人に何かを教えてくれているのかもしれません。



