
明晰夢、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?明晰夢とは夢の中でこれは夢なんだと自覚し、自分の意志で内容をコントロール出来る夢の事です。でも夢を自覚するなんて何だか難しそうですね。この機会に一緒にその方法を探ってみましょう。
目次
【明晰夢とは】
ごく普通に日頃見る夢と言うのは、目が覚めた後で思い返して夢だと気付くものですね。ではただの夢ではないらしい明晰夢とは何なのでしょうか?
明晰夢も確かに夢には違いないのですが、夢の中=睡眠中でありながらこれは夢なのだと貴方自身が自覚できる、そして時には自分の思うがままに夢を操作出来る事もある、それが明晰夢です。
普通の夢との一番の違いは、これは夢であるという自覚の有無ですが、他にも視覚や聴覚など五感の全てに響くようなリアルさがあるというのが特徴です。
【明晰夢は危険!?】
夢はどんな人でも毎晩見ているものです。夢を見ないと言う人は見た夢を目覚めた時には忘れているだけで、本当に全く何の夢も見ていない訳ではありません。ですから明晰夢=夢を見ながらそれが夢だと自覚する事は、きっかけさえあれば誰にでも可能という事になります。
でも明晰夢って、なんのデメリットも無いのでしょうか?危険性が有るか無いかのどちらかで答えるとすれば、答えは『有る』です。
睡眠の質が悪くなる
明晰夢は簡単に言えば眠りが浅い時に見る夢であり、本来脳を休ませるべきタイミングである睡眠時に脳が覚醒した状態です。
ですから明晰夢を頻繁に見るという事は結果として十分に睡眠による休息が取れない=眠っても心身の疲れが取れない質の悪い睡眠を繰り返している、という事になります。
金縛りに似た状態に陥る
こうした脳は覚醒してるのに身体はまだ眠っているから自由に動かせない状態の時、いわゆる金縛りに似た状況に陥り怖い思いをする事があります。
もちろんこれは中途半端な質の悪い睡眠が夢と現実を曖昧にしただけで、悪霊などが原因ではありません。
怖い夢もリアルになる
また明晰夢は通常の夢とは違い非常にリアルな感覚を伴う事が多い為、自分で思うように内容をコントロールした明るく楽しい夢であれば良いのですが、何かの拍子にとても恐ろしい明晰夢を見てしまったり、そんな恐ろしい夢に動揺して出来たはずの夢のコントロールまで出来なくなってしまったなら、下手をすると眠って夢を見る事に過度の恐怖心を持ってしまい、睡眠障害を抱えてしまう可能性があります。
良い夢もリアルに感じられるなら、悪い夢も真に迫る迫力で見る羽目になるという事をお忘れなく。
現実がイヤになる
また現実から逃げたくて、現実と同じくらいリアルに感じられる明晰夢に頼ってしまうと、思うようにならない現実世界の方を疎ましく思ってしまうかもしれません。
とは言え明晰夢に限らず夢はずっと見続けていられるものではないので、リスクとしては低めと言えるでしょう。
但しどんな薬にも薬効と副作用があるように、明晰夢にも怖い一面ばかりではなく、良い面がちゃんとあります。次はそのメリットについて考えてみましょう。
【明晰夢を見るメリット】
夢をコントロールできる
明晰夢とは夢の中で夢を自覚し、自分の意志で夢をコントロール出来るのが最大のメリットです。そうした効能を最大限活かすにはどんな夢にしてしまうのが良いのか。それは現実では絶対に出来ないような事を、夢の世界ならではの自由さで体験する事です。
現実では生身の身体一つで空を飛ぶ事は出来ませんが、明晰夢であれば念じるだけでスイスイとどこまでも飛んでいく事が出来るでしょう。アイドルになってステージに立ってみたり、大好きなあの人とデートをする事だって可能です。だって、全部夢なのですから。
夢の中でくらい、常識や固定観念を捨てて好きに振る舞ってみるのもいいですよね。
苦手な事や不安を克服する
別にそこまでカッ飛んだ内容でなくてもいいのです。例えば明晰夢の中で苦手だった事を克服したり、不安に感じていた事を乗り越えたとしたらどうでしょう。何だか現実でも、何とかなるような自信が湧いて来ませんか?
そうした自分の弱い部分を見つめ直し、良いイメージでシミュレーションを続ける事で克服のきっかけにする。それが明晰夢のもたらすメリットと言えるでしょう。
【楽しい明晰夢を見る方法】
では健康面や睡眠の質に害を及ぼさないような、楽しく美しい明晰夢を見るにはどうすればいいのでしょうか。夢の中で現実では出来なかった事にチャレンジしたり、ちょっとした冒険をする為の鍵をお教えしましょう。
身体のコンディション
明晰夢のもたらす危険性の項目でも説明しましたが、明晰夢を見易いタイミングというのは眠りが浅い時です。
とは言えわざわざ疲れる事をしたり、睡眠不足の状態を作るのは身体にとって良くありませんから、たまたま時間のある朝に二度寝をしたり、昼寝などをした時などに試してみるのが良いでしょう。
見たい夢をイメージする
就寝時にただ漠然と眠りに落ちるのではなく、どんな夢を見たいかイメージしてみましょう。
苦手だった科目で良い成績を取ったり、試験や講演などの本番を無事に終えられるイメージなどどうでしょうか。テレビで見た素晴らしい外国の風景などでも良いかもしれません。
詳細にイメージできれば、それだけ明晰夢を見られる可能性が高くなると言えるでしょう。
夢を夢だと気付く
段取りとしてはこれが一番難しいのですが、自分が今見ているのは夢だと気付けるかどうかが、明晰夢に出来るかどうかのポイントとなります。
目にしている光景、自分の状況、何でも構いません。周囲の情報から『これは夢なんだ』という現実にはないような違和感を感じる事があったなら、それが気付きの第一歩です。
夢の認知から自分の見たい夢のイメージへとつなげていくことが出来たなら、思い通りの楽しい明晰夢を見る事も不可能ではありません。
夢日記をつける
明晰夢の特徴の一つとして、目が覚めた後も夢の内容を覚えているという事があります。
普通、夢と言うのは目が覚めると同時にどんどん忘れていくものですが、リアルな感覚を伴う為か明晰夢は比較的目が覚めた後も記憶に残り易いのです。普通の夢を見た時にも、目覚めた直後と言うのはまだ夢の内容を思い出し易い状態にあります。
この時メモ帳などに、見た夢の内容を手書きで書いていくのが夢日記です。試験勉強などの時に覚えがあると思いますが、人はただテキストなどを眺めるだけよりも、ノートなどに自分の手で要点をまとめて書くなどした方が記憶に残り易いものです。
夢の内容をよりはっきり覚醒後にも記憶できるように、夢日記は『手書きで』『目が覚めたらすぐに』つけるようにして下さい。夢日記をつける事で、起きた後にも夢を記憶に残す=明晰夢を見た後に近い状態を実感できる事になります。
まとめ
明晰夢について、少し理解を深めて頂けたでしょうか?
夢を自在にコントロール出来る状態というのは非常に魅力的に感じられますが、良質な睡眠を取るという見方ではデメリットも少なからず存在します。
あくまでも体調に無理の無い範囲で、ストレスや不安の解消の助けとなるように上手に明晰夢と付き合ってくださいね。
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