
四国88ケ所霊場巡礼(遍路)とは、弘法大師が修行された足跡をたどって歩くことです。
四国遍路は、『阿波』『土佐』『伊予』『讃岐』4つの国にある札所を巡ります。国籍や宗派など関係なく誰でもお遍路さんとして巡礼することができるので、海外の方のお遍路さんも見かけますね。2015年の4月には四国遍路が日本遺産に認定されて、さらに注目が高まってきています。
四国遍路という素晴らしい文化を正しく理解するための、基礎知識や参拝方法をわかりやすくご紹介していきます。
目次
「順打ち」について

順打ちとは、札所の回り方についてで、1番札所から四国を時計回りに巡ることをいいます。一般的には順打ちで巡る人が多いです。
「逆打ち」について
順打ちの反対に88番札所から、時計と反対回りで巡ります。逆打ちは順打ちの3倍のご利益があるといわれています。2016年は申年(さるどし)のうるう年でしたので、60年に1回の好機とあって逆打ちをする人が多かったのです。
そのわけは、逆打ちは道標などが少なく歩きにくいのと、今も順打ちで巡っておられる弘法大師と必ずどこかで会えるはずということで、順打ちの3倍のご利益があるといわれているのです。
さらに、四国遍路の祖といわれる衛門三郎(えもんさぶろう)が、自分の罪業を悔いて弘法大師の後を追い20回巡っても大師に追いつけず、逆打ちの21回目にようやく大師と巡り会うことができ、息絶えたのが832年丙申(ひのえさる)のうるう年だったのです。
「打つ」について
昔は、木や紙の札を柱などに打ち付けて巡拝した証としました。そこで霊場を巡ることを「打つ」といい、霊場を札所といいます。現在では札を打ち付けることは禁じられており、納札(おさめふだ)をお堂に設置されている納札箱に入れます。
納札(おさめふだ)について
表に年月日・住所(△△県○○区くらいでよい)・氏名を書き、裏に願い事を書きます。本堂に1枚、大師堂に1枚納めます。
納札は6色あります。納札は100枚100円~で購入できます。巡拝が1回~4回の人は白札を使います。5回以上は緑札、8回以上は赤札、25回以上は銀札、50回以上は金札、100回以上お遍路した人は錦札を使います。納札は1番札所や88番札所近辺の売店で購入できます。お接待を受けたお礼にも使います。
納経(御朱印)について
昔は、写経した般若心経を札所に納めた証として、お寺ではお遍路さんの納経帳に「奉納・本尊名・寺名」の3種類の墨書きと、「札所番号・寺印・寺名」の3種類の朱印を押したのです。現在では写経の代わりにお経を唱えて記帳していただきます。

納経(御朱印)にはそういう意味があることを心得て、お参りしてから納経帳に御朱印をいただきましょう。神社では初穂料といいますが、お寺では納経料といい、300円です。
