七福神の1人であり、台所の神さまといわれる大黒天さま。でも、台所の神さまといわれても、ご利益などあまりピンとこないかもしれませんね。今回は、大黒天さまについていろいろとご紹介していきます。
大黒天とは?
大黒天さまといえば、打ち出の小づちと大きな袋をもったおだやかな神さま……そんな印象がありますよね。ですが、もともとのルーツはヒンドゥー教の破壊神、シヴァ神さまにあるのです。その後、日本に伝わる際に、天部<テンブ>という仏教の神さまに取り入れられました。
名前の由来は、インドでの呼び名ハーカーラ(摩訶迦羅)からで、マハーは“大”、カーラが“黒”を意味することから、大黒天と呼ばれることになりました。“天”は天部の天ですね。ちなみに、大黒天さまをお祀りするお寺は全国にたくさんありますが、日本で最初に大黒天さまが出現されたといわれるのは大阪府羽曳野市大黒にある大黒寺です。
大黒天のご利益
大黒天さまは台所の神さま……そんなふうに聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。実はこれは、ハーカーラ、つまりインドでの大黒天さまは破壊神としての恐ろしい姿のほか、寺院の台所に小柄な姿が祀られることもあったためなのです。では、日本の大黒天さまはどんなご利益を授けてくださるのでしょうか。
【五穀豊穣、商売繁盛】
大黒天さまの主なご利益は、五穀豊穣や商売繁盛、立身出世、財運などの金運アップです。これはその御姿にもあらわれていて、たとえば担いだ大きな袋は財宝を示していますし、手の打ち出の小づちは富。足元には米俵もあります。食べるに困らない……というところに、台所の神さまの名残もあるのかもしれませんね。
【縁結び】
少し意外かもしれませんが、大黒天さまには縁結びのご利益もあります。これは、日本に伝わる際に大国主命<オオクニヌシノミコト>と習合信仰したため。大国主命といえば、出雲大社に祀られている神さまです。そして出雲大社といえば、縁結びですよね。このことから、大黒天さまも縁結びのご利益を授けてくれるといわれているのです。
大黒天のスピリチュアルな意味
大黒天さまのスピリチュアルな意味は、「富を得る」もありますが、ほかに「勝利する」もあります。これは大黒天さまがもともと破壊神、戦いの神さまであることからきているようですが、最終的にはご利益である富や出世などにつながるようです。
たとえば、ライバルに勝って出世したり、イチかバチかでした転職が大当たりだったり。自身に打ち勝ったり、賭けに勝ったりした結果が富につながるのです。このように、富や出世につながる大黒天さまなので、置物や待ち受けなども同様のご利益を授けてくれるでしょう。
大黒天の置物の効果
大黒天さまの置物は富を招いてくれるといわれていて、恵比寿さまの置物と一緒に飾るのが一般的です。一緒に飾るときは大黒さまを右に置くようにしましょう。もちろん、大黒天さまだけを飾る場合は中央です。リビングなど、人が集まる場所に飾るのがオススメですよ。
大黒天の待ち受けの効果
大黒天さまの待ち受けは、設定するだけで金運を上げてくれるといわれています。とくに、金銭面で運が悪いときに運気を整えてくれる様子。具体的には、お金を落としたり、入ってくるはずのお金が入ってこなかったり……そんなときには、ぜひ待ち受けに大黒天さまを設定してみましょう。もちろんその際は、打ち出の小づちなどをもった、富を授けてくれる姿の大黒天さまを選んでくださいね。
大黒天のお供物
大黒天さまへのお供えは、御神酒、花、香、餅などです。もちろん、お水やお米、塩なども喜ばれますよ。そして、もっとも大切なのはお経。きちんとお祀りするのであれば、お供え物と同じようにお経も大切にしましょう。
大黒天の縁日(甲子の日)
甲子<キノエネ>の日は十二支の“子”と十干の“甲”のそろった日のことで、60日に一度めぐってきます。この日は大黒天の縁日といわれ、より強い金運を授かることができますよ。
また、“子”も“甲”も十二支と十干それぞれのはじまりであることから、なにかをスタートさせるのに良い日とされていて、この日からはじめた物事は縁起がいいし、長く続くといわれているのです。ちなみに、阪神タイガースの本拠地である甲子園も、この“甲子”が由来となっていますよ。
まとめ
日本人にとってなじみ深い七福神ですが、実は大黒天さまはもともとは破壊神だった……けっこうショッキングな事実ですよね。しかし、だからこそ富のほかに、「勝利する」強さも与えてくれて、出世につながっていくのかもしれませんね。金運アップを願うのなら、ぜひ大黒天さまをお参りしてみてはいかがでしょうか。
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