ハワイを訪ねたことがある人なら、ハワイには独特の食文化が根づいていることに、気がつかれたのではないでしょうか?
いろいろな文化がミックスされたような食もあれば、ハワイ独自のものも豊富で、先祖から長年にわたり受け継がれてきた食事も、日々の生活に取り入れられています。
ではハワイの人々が日々食しているものや、大切なときに食するようなスピリチュアルフードには、どのようなものがあるのでしょうか?
香り高い「コナ・コーヒー」
ハワイ島のコナ地区で栽培されている「コナ・コーヒー」は、希少種であるアラビカ種のコーヒーです。
ハワイ島のフアラライ山とマウナロア山という火山の西側の地区が、「コナ・コーヒー・ベルト」と呼ばれる生育地域になっています。
もともとは19世紀にヨーロッパの探検家により、コーヒーの木がこの地に持ち込まれました。
そして肥沃なハワイ島の火山性の土壌に合っていたコーヒー栽培が、最高級のコーヒーを生み出したのです。
ハワイの人々にとってコナ・コーヒーは、ハワイの大地に宿るマナ(霊力)に育てられた、まさにスピリチュアルフードなのです。
自然の恵み、大地のマナ、そしてひと粒ずつ心をこめて、伝統的な手摘み製法で作られるコナ・コーヒーは、ハワイの人々のおもてなしの精神「アロハスピリット」で満たされています。
そんなコナ・コーヒーを、ハワイの自然を感じながらいただくことで、ハワイのパワーが身体にみなぎってくるような、不思議な気持ちになる人もいることでしょう。
上質で香り高いコナ・コーヒーは、人々の心にくつろぎを与えてくれると同時に、単なる飲み物としてではなく、人々の集まり、セレモニーなど、ハワイの人々にとって、あらゆる場面で欠かせないスピリチュアルフードとなっています。
ハワイの人気フード「ココナッツ」
ハワイの風景といえば「ココナッツ」の木を思い浮かべる人も多いように、ハワイならどこででも目に入るのがココナッツです。
ハワイの島内をドライブしていると、ところどころで見かけるフルーツスタンドで、パイナップルやマンゴー、バナナなどと一緒にココナッツの実が売られています。
もともとはポリネシアの島々から持ち込まれたものですが、中には実が成らない種類もあります。
そんなココナッツの実は、殻に穴をあけて、ストローで中の水を飲むことができます。
実の内側の白い胚乳の部分は、そのまま食べたり、スライスして乾燥させてお菓子などに使えます。
あるいは水に浸して浸出液を絞りだしたものをココナッツミルクとしても使用します。
もちろんヤシ油と呼ばれるオイルも摂れ、外皮は繊維が豊富でロープなども作ることができます。
また殻は加工してお土産物の器などとしても売られていますね。
このように捨てるところなく使用できるココナッツですが、成分も非常に優れていて、抗感染症や認知機能改善にも役立ちます。
一方ハワイにおいてココナッツは、ハワイの戦いや農業、漁業、癒しの神として知られる『クー』の化身であると考えられています。
そしてココナッツウォーターは、非常に神聖で儀式や儀礼に用いられてきました。
ココナッツには、ハワイの大地のマナ(霊力)が宿るので、庭に植えてたくさんの実をつけると、自分の家も繁栄すると考えられています。
ハワイの人々にとって、ココナッツはまさにスピリチュアルフードで、疲れを癒すためにココナッツウォーターを飲み、またパワーを得るためにココナッツの実の白い部分をポリポリとかじるのです。
そうすることでハワイの大自然を感じ、古代先祖の霊力すらも得られるような気持ちになってパワーがみなぎるのです。
ハワイの伝統的フード「タロイモ」
四代ハワイ神のひとりである『カネ』の化身と考えられている「タロイモ」は、古代よりハワイの人々にとっては、大切な食物のひとつでした。
ハワイでは「カロ」と呼ばれるタロイモは、蒸して発酵させたものをペースト状にして食べる「ポイ」が、長年ハワイの主食とされていました。
サトイモ科のタロイモは、ビタミンや繊維成分などの栄養が豊富な食物です。
ハワイ神話にも登場するタロイモですが、その葉に残った雨水は聖なる水と考えられ、祈祷などに用いられます。
またハワイで行われる「ルアウ」という宴会では、タロイモの葉で豚肉を包んで蒸し焼きにする『ラウラウ』という料理もあり、ハワイの人々は日常的にもよくこの『ラウラウ』を食します。
このように神聖な食べ物であるタロイモは、ハワイの人々の生活に深く根付いていると共に、欠かせないスピリチュアルフードのひとつなのです。
スピリチュアルなドリンク「カヴァ」
「カヴァ」は、ハワイの伝統的な飲み物であり神酒として知られ、儀式などでも用いられます。
カヴァはコショウ科のヤンゴーナという植物の根を乾燥させて粉にし、それを水に混ぜて作る飲み物です。
ハワイでは3000年以上も前から、宗教的な儀式、来客のおもてなし、おめでたい席などで常習的に飲まれていました。
カヴァには鎮痛作用があるとされ、麻酔効果もあるため、過去には痛みがあるときに飲むことが多かったようです。
見かけは泥水のようで、味としては土の香りがきつく、漢方薬のようでもありますが、なぜか飲みだすと止まらず、やがてちょっとした麻痺感覚が口のあたりを襲います。
今では日常的に飲むことは稀になってしまいましたが、飲むとお酒のように気持ちがリラックスしてきたり、ストレス軽減にもなるので、ハワイの人々にとっては大切なスピリチュアルフードのひとつなのです。
ハワイにもカヴァを試せるドリンクバーのようなところが何カ所かあり、観光客でも楽しむことができます。
お正月には欠かせない「ジャイ」
「ジャイ」は、ハワイではよく見かける料理で、持ち寄りパーティなどにもよく登場します。
もともとは中国の精進料理で、仏陀の喜びの料理、あるいは僧侶の料理としても知られています。
ジャイは、作り手によって用いる材料が色々と変わってくるようですが、主に豆腐、ヒシの実、はるさめ、レンコン、ニンジン、シイタケ、白菜、タケノコなどを用い、醤油ベースのスープに入れて作るベジタリアン料理です。
この料理に用いる材料が、富、長寿、幸福などを表すものをたっぷりと取り入れているため、おめでたい席などでは欠かせないメニューとなっています。
特にハワイでは、旧正月には欠かせない料理のひとつになっています。
まとめ
ハワイの人々がスピリチュアルフードと愛する食物の多くは、ハワイの大自然の恵みを受けた材料を使ったものが多いようです。旅行で行っても手軽に手に入るものもあるので、ぜひスピリチュアルフードを試してみてください。
