
人生で大事なことのひとつが健康です。現在は健康に問題がなくても、いつも健康であるように守ってもらいたもの。そんなときにお願いする神様も日本には多く存在しています。あまり日常には聞き覚えのない神様もいらっしゃいますが、そんな神様の過去の活躍やご利益とはどのようなものなのでしょうか?
少彦名命(スクナビコナノミコト)
日本神話においては、国造りの協力神としても知られている少彦名命ですが、大国主命が出雲の国で小さな船に乗って流されてきた少彦名命に出会いました。
その後少彦名命は大国主と共に日本の国造りに力を注ぎ、農耕の技術のほかに、昔は薬のひとつと考えられていた酒造りの技術を伝え広め、まじないを用いながら医療、医薬にも力を発揮しました。
この小さな神様は、道後温泉、玉造温泉、箱根温泉などの温泉を発見した神様としても知られています。
・淡嶋神社:和歌山県和歌山市方加太118
・少彦名神社:大阪市中央区道修町2-1-8
・五條天神社:東京都台東区上野公園4-17
邇藝速日命(にぎはやひのみこと)
邇藝速日命は、別名櫛玉命(くしたまのみこと)とも呼ばれていました。
天の神様の子が天から降りてきたのを追って、数多くの神と共に「天磐船」に乗り込み、今の大阪府の河内地方に降り立ったと言われる神様です。その後奈良の飛鳥地方に移動し、物部氏の祖神と伝えられています。
邇藝速日命は、天から降臨したときに天照大神から授けられた、剣、勾玉、鏡などの十種の神宝を携えており、この宝は亡くなった人をも蘇らせる力が宿っていたと言われています。
邇藝速日命は、登美夜須毘売(とみやすびめ)を妻としたのですが、子供が生まれる前に亡くなってします。のちに子供の宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)が、父親である邇藝速日命が携えてきた十種の神宝を神武天皇に献上しました。
呪術の神としても知られている邇藝速日命は、痴呆封じ、病気平癒のご利益があることでも有名です。
・磐船神社:大阪府交野市私市9丁目19-1
・物部神社:島根県大田市川合町川合1545ほか全国の物部神社
・広瀬大社:奈良県北葛城郡河合町大字川合99
豊雲野神(とよくもののかみ)
豊雲野神は、日本神話において、天地が始まった頃のお話しに登場し、天地の始まりに現れた神世7代の第2番目の神様です。
名前に豊な雲とあるのは、雲は雨をもたらし、大地に農作物を実らせる力を持つことを意味しています。
神話にもあまり多くは登場しない豊雲野神は、五穀豊穣の神様として知られているほか、無病息災にもご利益があります。
・日比田神社:神奈川県伊勢原市三ノ宮1472
・御嶽神社:東京都大田区北嶺町37−20
・潮田神社:神奈川県横浜市鶴見区潮田町3丁目131−1
吉備津彦命(きびつひこのみこと))
吉備津彦命は、第七代孝霊天皇の息子であり、あの桃太郎のモデルとなった神様でもあります。のちに崇神天皇から西道(山陽道)を平定するように命ぜられて、吉備(岡山)地区で暴れていた温羅(おんら)という鬼を退治したとされています。
温羅の首は祟りを静めるために、吉備津神社の釜の下に封じたとされています。一説にはこの温羅は、吉備地方に鉄の文化を伝えた渡来人であったとも言われています。
吉備津彦命は、必勝祈願、産業振興のほか、病気平癒や延命長寿のご利益があるとされています。
・吉備津神社:岡山県岡山市北区吉備津931
・吉備津彦神社:岡山県岡山市北区一宮1043
・田村神社:香川県高松市一宮町字宮東286
建御雷之男神(たけみかづちのをのかみ)
建御雷之男神は雷神、剣の神、軍神としても知られており、イザナミノミコトが火神ガクツチを出産したときに火傷を負って命を落としたことにイザナギノミコトが怒り、ガクツチの首を切り落としてしまいます。そして、そのときに飛び散った血が岩について生まれた神様と言われています。
大国主命に天照大神が葦原中国を譲り受ける国譲りの交渉をする際に、この建御雷之男神が天照大神に力を貸したとされています。
以後も苦難が天照大神を襲ったときには、いつもこの建御雷之男神が力を貸して助けていたのです。
建御雷之男神は、勝負運、武道守護、国家鎮護のほかに、病気平癒、延命長寿などのご利益があることでも知られています。
・鹿島神宮:茨城県鹿嶋市宮中(大字)2306−1
・春日大社:奈良県奈良市春日野町160
・石神神宮:奈良県天理市布留町384
まとめ
いかがだったでしょうか?
健康や長寿を願うときに、やはり神様には手を合わせておきたいものです。病気平癒や延命長寿だけのご利益ではない神様も多くいらっしゃいますので、そのほかのご利益と合わせ見て、ご自分に最適の神様を見つけてお祈りしてみると、より一層お守りいただけることでしょう。

