世界中には、占いで使う色々なカードが存在します。そんな中でも最も有名なものが「タロットカード」ですが、最近占いやすさや的中率の高さで、注目を浴びているオラクルカードがあります。
それは「ルノルマンカード」と呼ばれる36枚のカード占いなのです。わかりやすい図柄と占い方で、誰でも簡単に占えることが人気の秘訣です。
では「ルノルマンカード」とは、いったいどのようなカードでどのように占うものなのでしょうか?
マダム・ルノルマンという占い師
「ルノルマンカード」という名前は、実は18世紀のフランスで活躍していたという、占い師の『マダム・ルノルマン』から付けられた名前です。
『マダム・ルノルマン』は、「マリー・アン・アデレード・ルノルマン」という名前で、宮廷貴族に絶大な支持をされていた天才占い師だったのです。
彼女の顧客には、宮廷貴族以外にもナポレオンの妻やロシア皇帝などもいたようで、まさにパリの社交界における、花形的存在の占い師だったのです。
彼女は占星術や数秘術などあらゆる占いにも精通しており、またトランプを使って占いを行っていました。
その的中率は脅威的で、時には顧客が聞きたくないようなネガティブな結果もはっきりと告げるため、何度か投獄されてしまった経験もあります。
ルノルマンカードとは
「ルノルマンカード」は、パリの天才的占い師の『マダム・ルノルマン』の名前を取って付けられたカードです。
もともとはカードゲームであったという説もありますが、「ルノルマンカード」は、彼女が考え出したトランプを用いて占う技法を元にして、36枚のカードを使って占います。
『マダム・ルノルマン』のトランプ占い自体は、52枚のカードを使って占っていたのですが、18世紀にドイツの占い師が、その占い方を簡略化するために、36枚のカードを用いて占う方法を編み出したのです。
「ルノルマンカード」は、それぞれのカードに1枚ずつ番号が付けられ、それぞれにひとつのモチーフが描かれています。
そのモチーフが象徴するものを読んで占ってゆくのです。
ルノルマンカードとタロットカードの違い
「ルノルマンカード」と「タロットカード」の一番の大きな違いといえば、「タロットカード」はカードの上下、正位置と逆位置も使って読みますが、「ルノルマンカード」は正位置のみ使います。
また「タロットカード」の絵柄は、やや抽象的で一枚のカードにいくつかのシンボルが含まれているのに対し、「ルノルマンカード」に描かれている絵は、非常に具体的で、花や動物、日用品など誰が見ても、何が描かれているのかわかるようになっています。
また「タロットカード」に存在する『大アルカナ』や『小アルカナ』などの区別も「ルノルマンカード」にはありません。
とてもシンプルな「ルノルマンカード」ではあるのですが、恋愛や仕事のことなど、あらゆることを占うことができるのが、人気が出た理由でもあるのでしょう。
ルノルマンカードの種類
「ルノルマンカード」の36枚とは、次のようなものになります。これらの絵柄を見て、自分の創造力も働かせて占ってゆきます。
1)騎士:良い知らせ、恋愛、始まり、出会い、幸運など
2)クローバー:占い、幸運、希望、絶好、安心感のチャンスなど
3)船:出発、転換期、海外、旅行、卒業、希望など
4)家:安定、家庭、愛情、不動産、地元など
5)木:健康、将来、自然、長寿、実りなど
6)雲:不安、トラブル、迷い、嘘、トラブルなど
7)蛇:裏切り、詐欺、嫉妬、女性、悪意など
8)棺:終了、停滞、清算、葬儀、消極性など
9)花束:幸福、結婚式、祝福、ギフトなど
10)鎌:突然、アクシデント、切る、警告、危険など
11)鞭:トラブル、仕打ち、アスリート、ギャンブルなど
12)鳥:コミュニケーション、予兆、楽しみ、交渉など
13)こども:純粋、喜び、子供、未熟さなど
14)狐:詐欺、いつわり、ずるさ、打算的など
15)熊:貯蓄、堅実、母親、パワー、独占欲など
16)星:希望、海外、スピリチュアル、カリスマなど
17)コウノトリ:変化、妊娠、引っ越し、結婚など
18)犬:仲間、ソウルメイト、誠実、援助など
19)塔:権威、孤独、歴史、学校など
20)庭園:自然、イベント、パーティー、人脈など
21)山:障害、忍耐、課題、試練など
22)道:選択、転機、転職、出会いなど
23)ねずみ:ストレス、怠惰、窃盗、不安など
24)ハート:恋愛、恋人、熱意、運命など
25)指輪:約束、結婚、契約、プロポ―ズなど
26)本:知識、発見、学業、秘密など
27)手紙:メッセージ、情報、請求書、手紙など
28)紳士:男性、紳士的、誠実、夫など
29)淑女:女性、受け身、淑女的、これから出会う女性など
30)ユリ:プライド、幸福、モラル、貞操観念など
31)太陽:幸運、活力、名声、成功、強運など
32)月:人気、感情、ロマンス、母性など
33)鍵:パスワード、キーポイント、安全、未来など
34)魚:お金、繁栄、財産、物質的豊かさなど
35)錨:仕事、役割、安定、こだわりなど
36)十字架:不安、宿命、犠牲、信仰など
ルノルマンカードで占ってみる
「ルノルマンカード」で占う方法はいくつかあります。
すべてのカードを並べて占う「グラン・タブロー」という方法もありますが、ここでは誰でも手軽にできる、1枚引きと3枚引きについて説明してみます。
まず1枚引きは、いわゆる「ワンオラクル」で、一番簡単で占いやすい方法です。
ただ込み入った質問内容には向いていません。どちらかというと「イエス」か「ノー」かに近い答えを求めるときに用います。
例えば「今のビジネスは、とりあえずうまくやってゆけるでしょうか?」という質問をして、カードをシャッフルした後で、好きなところから、1枚引いてみます。
すると「4番 家」のカードを引き当てたとします。家は「安心や安全」を意味するカードなので、『あなたのビジネスは、とりあえずは安定していますよ』というのが回答となるでしょう。
次に3枚のカードを使って占ってみましょう。
3枚の場合は同じくカードをシャッフルして3枚引きますが、1枚目が過去、2枚目が現在、そして3枚目が未来というふうに読みます。
「私は最近素敵な人に出会いました。でもこの人と結婚できるでしょうか」という質問をしてみます。
それから3枚引いてみて、そのカードが例えば1枚目が「1番の騎士」、2枚目が「24番のハート」、そして最後が「25番の指輪」だとします。
すると答えは『素敵な男性に巡り会えた近い過去が1枚目のカードに出ています。そして2枚目のハートのカードは、あなたの心が今ときめいていることを表しています。そして3枚目のカードの指輪は結婚や婚約を表すカードです』。
つまり占いの答えは「はい、あなたはこの男性と結婚するでしょう」になるのです。
まとめ
「ルノルマンカード」は、18世紀にフランスで活躍した有名な占い師である『マダム・ルノルマン』にちなんで付けられた、36枚の占いカードです。タロットよりも簡単に占えることで、「ルノルマンカード」は最近注目されている占いツールです。