
お百度参りといえば、時代劇に登場する古い願掛けの方法だと思っていませんか。
実は今でもお百度参りを行っている人は意外に多いのです。しかし名前を聞いたことはあるけれど、何をどうするか分からないという人が多いのも事実ですね。
そこでお百度参りについて、やり方や作法などをご紹介していきます。
お百度参りとは
お百度参りとは一体どのようなものなのでしょうか?
叶えたい願い事がある、心願成就したいと思った時に、今でも多くの人が神社に行って参拝をすると思います。しかしその内容が切実なもの、重要なもの、心から本気で叶えたいものである場合、一度の参拝ではなく、何度も参拝することで、より心願が成就すると言われています。
主に近くの神社や有名な寺社に百日間毎日参拝をすることをお百度参りといいます。
お百度参りを始める人の多くは身近な人の病気が原因なのだそうです。子供が重い病気にかかってしまった、親が大きな手術をすることになったなど、特に生死に関わるようなお願いをする人が多く見受けられます。それだけ強い思いを持ったお祈りこそお百度参りにふさわしいのです。絶対に譲れない、ここぞという時のお願いがある時には、お百度参りをして心願達成といきたいものです。
お百度参りは古くから言い伝えられている参拝方法であるだけに、軽はずみな願い事では行いません。お金持ちになりたい、恋人が欲しいなど、自分で努力すればどうにかなるものは、願いが叶いにくいと言えるでしょう。本当に神様の力を欲している場合にお百度参りは効果があるといえますね。
お百度参りのやり方と作法
お百度参りの基本的なやり方は、同じ神社やお寺に百日間、毎日通って参拝することです。
大切なのはお百度参りを始めたら雨の日も風の日も、嵐や雷雨でも毎日欠かさず参拝に行かなければなりません。1日も欠かさず参拝に行ってこそお百度参りの真価が問われるのです。
もうひとつ、イメージの強いお百度参りの方法と言えば、1日でお百度参りを行う方法です。神社によっては、お百度参りの石が建ててありますので、自分が行いたいと思っている神社にお百度石があるか確認してみましょう。
このお百度石から本殿までを行ったり来してして100回繰り返し参拝します。本来100日かけて行う道筋を1日で行うという過酷な参拝方法です。
様々な作法がありますが、「人目につかない時間」・「白装束」・「裸足」・「100回繰り返す」と書かれているところが多くあります。ちょっと丑三つ参りを想像してしまいますが、まったくの別物です。
お百度参りは何より気持ちが大切なので、現在では「白装束」はなくても問題ないと思います。夜の寺社は悪いものが集まるという考えから、夜明け前から早朝にかけて行う人も多いようです。
百日かけるのと1日で行うのと、どちらが良いというものではありません。あくまで気持ちや想いの強さが重要だと言われています。
お百度参りはどこでやればいいの?
お百度参りはどこで行うのか、という素朴な疑問ですが、基本的には「氏神様」が祀られている神社が一般的です。
氏神様とは本来は、血縁関係にある一族に関わりの深い神様を示す名称でした。それが時代と共に意味を変化させていって、今では「住んでいる土地をお守りする神様」を氏神様としています。
近所にある神社の中で1番大きな神社が氏神様の場合が多いので、気になる人は神主さんに聞いてみましょう。
きっとお宮参りや七五三でお世話になっているはずです。生まれた時からのあなたを知っている氏神様へのお願い事は、祀られている神様に関わらず、すべてお祈りすることができます。昔から氏神様への信仰は深く根付いています。大切にしたい神様ですね。
一方で、引越しが多くて氏神様が分からない、実家が遠方にあってなかなか行けない、という人もいるでしょう。その場合はお百度参りで有名な寺社に行って行うのもありです。
後の章で紹介しますが、各地にお百度参りで有名な寺社が存在します。そういった寺社ではお百度参りがしやすいように準備してあることが多いです。何度も言いますがお百度参りは気持ちが大切なので、場所にこだわるよりも気持ちの入れ方にこだわりましょう。
お百度参りの効果と実話
お百度参りの効果についてですが、これはとても強力な効果があると言われています。何度も何度も無心になって1つのことをお願いするということは、スピリチュアル的にとてもとてもパワフルな現象です。
実際に周りでお百度参りをした人が何人かいますが、だいたい願いが叶っているようです。願いの内容もとても平和で、『入院している家族の手術がうまくいきますように』や『家族が受験に合格できますように』など誰かのために行っている人が多かったです。
行う方法もマチマチで、神社で正式なスタイルで行う人もいましたが、毎日仕事に行くときに通りがかるお地蔵さまに毎日1円玉を置きながらお願いしたという人もいました。お願いする気持ちが一番大切ですね。
お百度参りでなかなかうまくいかないと嘆くパターンは恋愛が多いようです。誰かを差し置いて恋愛がうまくいきたいと願ったり、相手に思いやりを持たずに自分の欲だけを先行してお願いしてると逆効果に繋がります。
お百度参りで効果を出すためには、雑念を捨てて無心で参拝を繰り返すことが必要になってきます。そして、もし叶わなくても神様や身近な人を恨んだりしないことです。恨みなどの悪い念は巡り巡って自分の所に返ってきてしまいますので注意してくださいね。
お百度参りをした結果、悪運になって戻ってきてしまったなんて、悲しいことにはなりたくありませんよね。お百度参りで大切なのは願う人の気持ちです。すべてを神様のせいにしたり、頑張っている自分を正当化してしまうのであれば、良い効果は得られないと考えましょう。
お百度参りで有名なスポット
各地にあるお百度参りで有名なスポットをご紹介します。氏神様が分からない人や、お百度参りの準備がされている寺社がいいという場合は参考にしてみてくださいね。
石切劔箭神社
お百度参り神社の中で1番有名なのは大阪にある「石切劔箭神社」です。毎年多くの人がお百度参りをしているそうで、知る人ぞ知るお百度参り神社なのです。「でんぼの神さん」として有名で、腫れ物などを治してくださる神様です。
梅宮大社
京都で有名なのが「梅宮大社」です。ここではお百度参り用に「お百度こより」が準備されているので、始める前に購入しておきましょう。数を数えるのに便利です。酒造、子授け、安産などの御利益があることでも有名です。
東京大神宮
関東で有名なのは縁結びで評判の「東京大神宮」です。御祭神が伊勢神宮と同じであることから、東京のお伊勢さんと呼ばれています。女性のお百度参りが多く、多くの人が切実な願いを秘めているようです。結婚式場としても有名で、神前結婚式の創始とされています。
成田山深川不動堂
「成田山深川不動堂」も、稲荷社の隣にお百度参りの不動明王様と石碑をお祀りしているので、お百度参りで有名です。本堂と不動尊を往復することでお百度参りが可能です。回数を数えるための道具を貸し出して下さいますので利用しましょう。
まとめ
お百度参りのやり方や作法効果についてのポイントがいかがでしたか。
百日間かけて行うのも、一日で100回行うのも、どちらも正しいお百度参りです。大切なのは願う人の気持ちなのですが、あまりその願いに固執しないように、邪念は払って参拝しましょう。
気になる人はお百度参りで有名な神社を訪れて、その場の雰囲気だけでも体感してみてはいかがでしょうか。