昼と夜が同じ長さになる「春分の日」。太陽が黄道上の春分点を通過した日を「春分日」と呼びます。日本の国民の祝日の一つですが、日付は年によって変わってきます。新しいスタートをすることも多く、変化の多い時期になります。
本格的な春の到来で、地域によっては桜の開花が間もなくといった頃でしょう。春分の日の決め方や過ごし方、食べ物にまつわる意味について分かりやすくご紹介します。
春分の日とは?
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」ことを趣旨としています。1948年までは「春季皇霊祭」と呼ばれていました。1948年に国民の祝日の一つとして法律によって制定されます。
春分の日は二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつですが、二十四節気は太陽の動きを基準にして1年の季節の移り変わりを分かりやすくしたものです。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分け、二十四節気になります。一節気は15日単位で、春分は春の季節の4番目に当たります。お彼岸の中日でもあり、春分の日を境に北半球では次第に昼が長くなり、夜が短くなっていきます。
【二十四節気(春)】
・立春(りっしゅん)1月節
・雨水(うすい)1月中
・啓蟄(けいちつ)2月節
★春分(しゅんぶん)2月中
・清明(せいめい)3月節
・穀雨(こくう)3月中
春分の日の期間
2023年の春分の期間は、3月21日~4月4日で、国民の祝日である春分の日は、3月21日(火・祝)になります。二十四節気でいうと、「春分(二十四節気の第4)」から「清明(二十四節気の第5)」までの期間です。
春分の日を中日とした前後3日である7日間を春のお彼岸(春彼岸)と呼びます。2023年は3月18日〜24日が春の彼岸になります。
春分の日の過ごし方
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれますが、春秋の彼岸を境として過ごしやすい穏やかな季節になっていきます。春分の日はどのように過ごすとよいのでしょうか?
お墓参り
春分の日は、太陽は真東から昇って真西に沈みます。真西は仏教で「極楽浄土がある」と言われる方位でご先祖様がいると考えられています。こちらの世界を此岸(しがん)と呼び、ご先祖様がいる世界を彼岸(ひがん)と呼びます。春分の日はご先祖様のいる世界を拝む日ということでお彼岸と言われています。お墓参りに行けない人はお仏壇に手を合わせたり、心でご先祖様に対して感謝の気持ちをもったりすることで、供養になります。
春の訪れを感じよう
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日なので、自然と触れ合う時間を大切に過ごすのもよいでしょう。同じ場所でも季節によって、見える風景が異なります。美しい自然が息づく絶景スポットに足を運び、日常感じられない感覚を味わいましょう。五感をフルにして春の訪れを感じてみると、感性も磨かれていきます。
春分の日の食べ物
春分の日に食べられる有名な食べ物をご紹介します。食べ物からも季節を感じることができるかもしれません。季節の花の名前に由来しています。
精進料理
春分の日には、精進料理(しょうじんりょうり)を食べます。仏教の食事といえば精進料理が一般的ですが、精進料理は、肉類、魚介類、乳製品、卵などを一切使用しないことから不殺生戒(ふせっしょうかい)の戒律を犯さない料理です。
不殺生戒とは、生き物を殺さないことという意味です。精進料理は、穀物、豆類、野菜などの植物性の食材だけで作る料理です。ニオイが強い、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、玉葱、アサツキなどを使って料理するのもNGです。生きとし生けるものを慈しむ春分の日に相応しい料理と言えるでしょう。
牡丹餅(ぼたもち)
古来より赤い小豆には邪気を払い魔除けの効果があると言われています。神仏に手を合わせることで無病息災を祈りました。先祖の霊を慰めるために、お彼岸に牡丹餅が捧げられています。春のお彼岸には「牡丹餅」が、秋のお彼岸には「おはぎ」が食べられます。
春のお彼岸の頃は牡丹の花が咲く時期、秋のお彼岸の頃には萩の花が咲くことから、季節によって名前が異なります。地域によっては粒餡を「牡丹餅」、こし餡を「おはぎ」と呼び分けているところもあります。春のお彼岸にはご先祖様に牡丹餅をお供えして、感謝の気持ちを伝えましょう。
彼岸そば
季節の変わり目になって体調を崩しやすいことから、彼岸そばを頂くという習慣があります。ミネラルや繊維質が多いので五臓六腑の汚れを清める効果があり、身体の汚れを清めてご先祖様をお迎えするという言い伝えが、彼岸そばになりました。
まとめ
春分の意味を知ることで、春分の日の過ごし方が変わるのではないでしょうか。牡丹餅や精進料理をご先祖様にお供えし、日頃の感謝の気持ちを伝え過ごしてみましょう。またさまざまな和菓子店から牡丹餅が販売されているので、食べ比べをするのもよいかもしれませんね。「自然をたたえ、生物をいつくしむ」なので、自然を感じられる場所にお出かけして、春の穏やかな陽射しを感じてみましょう。
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