毎月25日は「天神の縁日」といわれています。菅原道真(すがわらのみちざね)と縁が深く、人神として死後神として祀られ信仰されています。
毎月25日の天神の縁日には、菅原道真を祀っている神社に多くの参拝客が訪れるでしょう。「天神の縁日」の意味や由来についてご紹介します。
目次
天神様とは?意味や由来
学問の神様として名高い「天神様」は、代々学者の家系に生まれ、天皇の臣下で秀才と呼ばれていた菅原道真(845〜903年)です。醍醐天皇のとき五十五歳で右大臣に上り詰めました。異例の出世が権力者の反発を買うことになり、北九州の大宰府へ大宰権帥(だざいのごんのそち)として左遷されてしまいます。
道長が亡くなった頃から都では疫病や落雷などの天変地異が続き、人々は道真の祟りと恐れ、怒りを鎮めるため北野天満宮を建てました。人間を神様として崇める信仰を、「人神(ひとがみ)」といいます。彼が亡くなると「天神様」として崇められるようになりました。江戸時代の頃に、学問の神としての信仰が広がりました。
天神の縁日について
天神様とも呼ばれる菅原道真の誕生日は旧暦6月25日です。命日が旧暦2月25日になることから、毎月25日は「天神の縁日」とされています。新暦に移行した現在も毎月25日が縁日となっています。毎月25日の縁日に参拝することで、ご利益があるとされています。縁日とは、特別な日に行われる祭典、供養の日のことです。
【菅原道真の誕生日】承和12年(845年)6月25日
【菅原道真が太宰府に左遷された日】昌泰4年(901年)1月25日
【菅原道真が亡くなった日】延喜3年(903年)2月25日
天神(菅原道真公)の別称
菅公、菅丞相、天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)、火雷天神(からいてんじん)、天神様とも呼ばれています。
天満宮において神使(祭神の使者)
天満宮において牛を神使とされ、臥牛(がぎゅう)の像が置かれています。菅原道真の出生年は丑年であったり、牛がよくなつき牛を愛育したり、丑の日に亡くなったなど牛との関係が深くあります。
【初天神:1月25日】
1月25日は1年で最初の「天神の日」ということで、「初天神(はつてんじん)」または「始め天神」と呼ばれています。太宰府天満宮をはじめ各地の天満宮で催しが行われます。
【梅花祭:2月25日】
2月25日は、菅原道真の命日にあたるため非常に重要な日とされています。梅の花をこよなく愛でた道真を偲び、「梅花祭(ばいかさい)」が行われます。梅花祭は900年ほどの歴史があり梅花を添えた神饌をお供えし、祈祷式を行います。梅花祭の頃が梅の見頃でもあります。天満宮や天神などでは梅が植えられていることが多く、梅の名所となっている神社もあります。北野天満宮では敷地内で育った梅には天神様のご神徳が宿るとされ、大福梅と招福の梅の枝を製作しています。
【御誕辰祭:6月25日】
6月25日は、菅原道真が誕生した日にあたります。御誕辰祭(ごたんしんさい)は「夏越天神(なつごしてんじん)」とも呼ばれ、「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」をし、無病息災、厄除け、家内安全を願います。茅の輪くぐりとは、茅(かや)で作った大きな輪をくぐります。
【天神祭:7月25日】
大阪市にある「大阪天満宮」では、7月25日に「天神祭(てんじんまつり、てんじんさい)」が行われます。1000年以上続く日本三大祭りのひとつで、宵宮が7月24日、本宮が翌7月25日に定められています。かがり火を燃やしながら大川を行き交う「船渡御(ふなとぎょ)」は見所のひとつです。25日に開催される天神祭のフィナーレ「天神奉納花火大会」では、多くの人で賑わいます。
【終い天神:12月25日】
12月25日に行われる一年で最後の縁日は、「終い天神(しまいてんじん)」と呼ばれています。今年一年の無事に感謝を込めてお参りし、新年の招福息災を願います。師走の恒例神事として多くの参拝者で賑わいます。
天神のご利益について
学問の神様として知られ学業成就で有名ですが、合格祈願、五穀豊穣、立身出世、開運、災難除け、技芸・芸能などの御利益もあります。
天神様を祀る神社
菅原道真(天満大自在天神)を祭神とする神社は、西日本を中心に全国に約1万2,000社あるといわれています。菅原道真公を祀る神社は天満宮と名付けられていることが多く、なかでも有名な神社をご紹介します。
【北野天満宮(京都府)】全国約1万2,000社の総本社
・所在地:京都府京都市上京区御前通今出川上る馬喰町
【湯島天満宮(東京都)】
・所在地:東京都文京区湯島3-30-1
【大阪天満宮(大阪府)】
・所在地:大阪府大阪市北区天神橋2-1-8
【防府天満宮(山口県)】日本最古の天満宮
・所在地:山口県防府市松崎町14-1
【太宰府天満宮(福岡県)】道長が亡くなった大宰府
・所在地:福岡県太宰府市宰府4-7-1
まとめ
毎月25日は天神の縁日になります。全国の多くの神社で天神様がお祀りされているので、参拝に訪れてみてはいかがでしょうか。
