
安産祈願といえば全国的にも有名なのが水天宮です。東京にも東京水天宮として人形町に鎮座しています。
少子化といえども、連日多くの人が参拝に訪れている有名な神社のひとつですね。安産祈願という子供に関わる内容なので、とても和やかな空気が流れています。
そんな東京水天宮の安産祈願のご利益や見どころを中心にご紹介します。
目次
東京水天宮の歴史
東京水天宮は分社であり、大元は福岡県久留米の水天宮から分霊勧請したものです。久留米の水天宮は全国に存在する水天宮の総本社です。
御祭神の1人である二位尼(平時子)、平清盛の妻で、建礼門院(平徳子)はその娘、安徳天皇はその孫にあたります。1158年の壇ノ浦の戦いで平氏が滅亡すると、二位尼は安徳天皇を抱きかかえて、建礼門院と入水自殺を図ったものの、建礼門院のみ源氏の兵に救われ生き延びました。その時に建礼門院に仕えていた女官の伊勢が、久留米にお社を建ててお祀りしたのが水天宮の始まりと言われています。
東京水天宮の創建は江戸時代にあたる1818年になります。その時に総本社で祀られている神様の霊を分けていただいたということですね。久留米の水天宮は当時から有名だったので、東京水天宮にも多くの人が安産祈願をしに訪れました。
東京水天宮はその後、明治維新や関東大震災などを経て、少しずつ改修しながら現在に至ります。安産祈願だけでなく子宝祈願、子育てのご利益などでも有名なので、特に戌の日には妊婦さんで賑わいます。御祭神は天地が創造される際高天原に最初に出現したという天御中主神、安徳天皇、高倉平中宮、二位尼の四柱の神様です。
東京水天宮の見どころ

東京水天宮は安産祈願でなくとも訪れたいと思わせる見どころがいくつもあります。その中でも注目の見どころを紹介します。まず真新しさが残る「本殿」です。
東京水天宮は2018年に江戸鎮座200年を迎える記念事業として、社殿建て替えを行いました。以前とはイメージが変わったという人もいますが、とても立派な本殿です。また、安産祈願ということで妊婦さんが多く訪れる神社なので、境内全体を免震化し広い待合室や快適な空間を設けました。

東京水天宮の末社のひとつになっているのが「宝生辨財天」で、弁財天をお祀りしています。
久留米藩第9代藩主の有馬頼徳が、加賀藩第11代藩主の前田斉広と宝生流能楽の技を競うことになった時に、この弁財天に願をかけたところ、見事勝利したそうです。学芸・芸事・金運にご利益がある神様です。毎月5日と巳の日には開帳されて神像を拝観できます。
東京水天宮・子宝犬の神像

安産祈願に訪れる人が必ず撫でているのが「子宝犬の神像」です。
子宝祈願と安産祈願である親子の犬の神像が祀られています。その周囲を取り囲んでいる丸い玉には十二支を表す漢字が刻まれていて、自分の干支を撫でるとご利益をいただくことができます。もちろん、親子の犬の像も撫でると安産祈願のご利益がありますよ。
東京水天宮・安産子育河童

入り口付近に置かれている赤ちゃんを抱えた「安産子育河童」もおすすめです。桶で水をかけるとご利益があるといわれています。