神社に行くと心が洗われたり、満たされた気分になったり……まさしくパワーチャージができているのがわかりますよね。そしてそれは、鳥居をくぐった瞬間に感じるという人も多いのではないでしょうか。
実はこの鳥居、どこの神社でも同じではないんです。また、必ずしも神社の入り口にあるわけでもありません。今回は、日本三大に数えられる鳥居をご紹介しますね。
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日本三大鳥居とは?
日本三大鳥居と呼ばれる鳥居は、すべて奈良時代~平安時代にかけてたてられたもの。もともと日本で信仰されていた神道と、国外から伝えられた仏教が一つになった、神仏習合のころです。
【金峯山寺】
日本三大鳥居の一つ目は、奈良県吉野町吉野山の金峯山寺にある銅(かね)の鳥居。重要文化財に指定されています。
高さは約7.5メートルで、急坂をあがってすぐです。ちなみに金峯山寺には発心門、修行門、等覚門、妙覚門の四門があり、銅の鳥居は一番最初の発心門にあります。
また、現在の銅の鳥居は室町時代に再建されたもの。1348年の高師直の兵火で、一度焼失しているんです。
【厳島神社】
二つ目は広島県廿日市市宮島町にある厳島神社の大鳥居。朱丹の大鳥居とも呼ばれます。厳島神社のある宮島は日本三景の一つでもあるので、この鳥居もパンフレットなどでよく目にするのではないでしょうか。
高さは16.8メートルで、神域への入り口として海中に立てられています。現在の鳥居は八代目。重要文化財であり、世界遺産でもあります。
【四天王寺】
三つ目は、大阪市天王寺区四天王寺にある四天王寺の石の鳥居。それまでは木造の鳥居があったのですが、真言律宗の僧である忍性により石造りにあらためられました。
高さは8.5メートルで、「釈迦如来、転法輪処、当極楽土、東門中心」の文字が刻まれています。このことから、極楽浄土への東門と呼ばれているのです。この鳥居も重要文化財です。
日本三大石鳥居とは?
鳥居というと木造のイメージが強いですよね。ですが中には、すでに紹介した四天王寺の鳥居のように、石造りのものもあるのです。この石造りの鳥居にも、日本三大鳥居があるのでそちらも紹介していきます。
【日光東照宮】
三大石鳥居、一つ目は栃木県日光市山内にある日光東照宮の石鳥居です。日光東照宮の入り口、いわゆる正門にある、一の鳥居です。
高さは9.2メートル。石鳥居は筑前で切り出された15の石を運び込み、現地で積み上げて作られました。柱には、その際のルートなどがしっかりと刻まれています。ちなみに、あまり知られていませんがこの石鳥居、左右で柱の太さがちがうのです。現地をおとずれた際は、ぜひじっくりと比べてみてください。
【鶴岡八幡宮】
二つ目は神奈川県鎌倉市由比ヶ浜にある鶴岡八幡宮の一の鳥居。もともとは二の鳥居、三の鳥居もあったのですが、大正12年の関東大震災にてすべて倒壊。現在は、この一の鳥居だけができるだけ当時の姿を目指す形で再建されています。(ほかは鉄筋コンクリート造の赤鳥居)
高さは8.5メートル。鶴岡八幡宮が創建された当時は浜辺に面していたため、この鳥居も浜の大鳥居と呼ばれていたようです。ちなみに、鎌倉駅からまっすぐ鶴岡八幡宮に向かうと、この一の鳥居は通りませんから気をつけてくださいね。
【八坂神社】
三つ目は、京都市東山区祇園町にある八坂神社の石鳥居。地元では八坂さん(祇園さん)と親しまれる八坂神社の正門にありますが、もともとこの鳥居は三の鳥居でした。
高さは9.5メートル。八坂神社の正門といえば、南楼門。この南楼門にある鳥居が石鳥居です。八坂神社というと赤い大きな鳥居を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、あの鳥居があるのは西楼門。正門ではありません。参拝の際には、ぜひ南楼門の石鳥居から本殿をおとずれてください。
日本三大木造鳥居とは?
木造の鳥居にも、もちろん日本三大といわれている鳥居があります。
【氣比神宮】
三大木造鳥居、一つ目は福井県敦賀市曙町にある氣比神宮の大鳥居です。氣比神宮は、奥の細道で芭蕉もおとずれたとされる有名な神社です。
高さは11メートル。もともとは東の参道にあった鳥居ですが、1645年の再建の際に西門に移りました。ちなみに、氣比神宮は昭和20年の敦賀大空襲にて一度消失しているのですが、この大鳥居は残りました。
【春日大社】
二つ目は、奈良市登大路町にある春日大社の一之鳥居です。もともとは春日大社と興福寺旧境内との間にあった鳥居ですが、現在は三条通に面しています。
高さは6.75メートル。神域の入り口となるこの一の鳥居をくぐってから本殿まで、約1.3キロあります。二の鳥居までも1キロほどありますが、参道は立派で、奈良公園の緑や石灯籠などが並び、とても環境がいいです。
【厳島神社】
三つ目は、日本三大鳥居の一つでもある厳島神社の大鳥居です。70年ぶりの大規模修復作業が3年半続き、長く姿を見ることも叶わなかった大鳥居ですが、2022年末に完成しました。色鮮やかに復活した見事な朱色の大鳥居、ぜひ参拝したいものですね。
まとめ
鳥居は由来がいろいろあり、なかでも、鳥の居場所であるという話はよく聞きます。実際のところを知るすべはありませんが、それでも、鳥居を境に神域に足を踏み入れるということにかわりはありません。参拝の際には、神様はもちろん神域を守ってくれている鳥居にもごあいさつしたいものですね。
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