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奈良県【当麻寺】は万葉集の二上山と中将姫伝説で人気のお寺!御朱印と見どころ

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当麻寺・中之坊(中院)&御朱印

当麻寺,中之坊入り口
中之坊は代々当麻寺住職の住坊として受け継がれてきました。本堂・書院・香藕園(こうぐうえん)・霊宝殿があります。
当麻寺,中之坊,本堂,中将姫剃髪堂
本堂は奈良時代に中将姫が剃髪した授戒堂で、現在のものは桃山時代の再建。平安中期、中将姫の守り本尊である「十一面観音」を刻み、本尊としました。

当麻寺,導き観音,中之坊リーフレットより
引用:当麻寺・中之坊リーフレットより

檜の一木造りの本尊は気品のあるお姿で「眼前に拝すれば心身が美しくなる」と言われています。また、中将姫を常に導いた守り本尊であることから「導き観音」と呼ばれ、進学、就職、結婚などの人生の節目に訪れる人が多いそうです。

また、中将姫が後世の女性の幸福を祈られたことから特に女性の守り本尊としても信仰され、縁結び、安産や子授けなどのご利益があるとして人気を集めています。心静かに合掌し、中将姫様のパワーをいただきましょう。

書院(重要文化財)

当麻寺,中之坊,香藕園,玉座
書院(重要文化財)は、桃山時代から江戸初期の建築で、第111代後西天皇をお迎えした「御幸の間」や、江戸前期の大名であり、茶人でもある片桐石州が造築した大円窓の「丸窓席」と言われる茶室があります。

香藕園(こうぐうえん)

当麻寺,香藕園のぼたん
香藕園(こうぐうえん)は、大和三名園の一つとされ、桃山時代に完成し、江戸初期に後西天皇を迎えるために片桐石州によって改修されました。

当麻寺,香藕園
宝塔に見立てた東塔・西塔を借景として、宝池に見立てた心字池にその影を落とす庭園は、極楽浄土を観じることができる名園です。昭和9年に史蹟と名勝の保存指定を受けました。

当麻寺,香藕園
私が訪れたのは4月下旬でしたので、ちょうど深紅やピンク、白など色とりどりのぼたん、白藤や山吹などが咲き乱れ、まさに百花繚乱の美しい庭園でした。松尾芭蕉や折口信夫などの句碑や歌碑が点在し、多くの文人にも愛されたことがわかります。

霊宝殿は、中将姫画像や中将姫剃髪剃刀などの宝物が、4月1日~5月20日、10月1日~11月30日に公開されます。

中之坊の御朱印

中之坊でいただける御朱印です。
当麻寺,中之坊,御朱印,導き観音
「導き観音」

当麻寺,中之坊,御朱印,弥勒尊
「弥勒尊」(大和十三仏霊場第六番)

当麻寺,中之坊,御朱印,布袋尊
「布袋尊」(大和七福八宝めぐり)
冥加料は各300円。

当麻寺,中之坊,御朱印,浄佛土
「浄佛土」は中将姫の文字と29歳の尊影を再現し、季節の花(4/13~5/6はぼたん)の印が入った刷り物で冥加料は500円。

当麻寺,中之坊,御朱印,摩利支天
「摩利支天」は霊宝殿に祀られている仏で、亥歳の記念として猪の金影が入った刷り物で冥加料は500円。

客殿の美しい絵天井の下で、「当麻曼荼羅」に描かれた仏の写仏体験ができます。1500円。

当麻寺・奥院&御朱印

当麻寺の塔頭で、1370年、浄土宗総本山知恩院の「奥之院」として、誓阿普観上人(せいあふかんしょうにん)が創建しました。大和本山として多くの人々の信仰を集めてきました。本堂・阿弥陀堂・大方丈・鐘楼門・浄土庭園があります。
当麻寺,奥院への石段
ゆるやかな石段を上がると…
当麻寺,奥院,水子地蔵
水子地蔵尊となごみ地蔵さんが迎えてくれました。

鐘楼門

当麻寺,奥院,楼門裏側
1647年建立の鐘楼門は、1612年建立の大方丈、1604年建立の本堂ともに重要文化財に指定されています。

本堂

当麻寺,奥院,本堂
本堂のご本尊は知恩院から遷座された法然上人像(重要文化財)。奥院の本堂に保管されている「綴織当麻曼陀羅」は、中将姫が織ったという「観無量寿経浄土変相図」と同じ技法で作られたもので、毎年11月初旬に公開されます。

本堂の前にはたくさんの鉢が整然と置かれていました。蓮の茎がひょろりと伸びていました。夏には蓮の花が咲いて浄土の世界を見せてくれることでしょう。

奥院の御朱印

奥院でいただける御朱印です。
当麻寺,奥院,御朱印,法然上人
「法然上人」(円光大師二十五霊場第九番)

当麻寺,奥院,御朱印,浄土変相
「浄土変相」(西山国師十八霊場第十四番)
冥加料は各300円。

阿弥陀堂

当麻寺,奥院,阿弥陀堂
本堂の左隣にあり、納骨堂となっています。ここにも蓮の鉢が整然と並んでいました。

当麻寺,浄土庭園,奥院リーフレットより
引用:当麻寺・奥院リーフレットより

浄土庭園は本堂の西に広がり、二上山を背景にして、阿弥陀如来像を中心に多くの石仏が据えられています。

当麻寺,奥院,浄土庭園
宝池の周囲には80余種、約3000株の色とりどりのぼたんが咲き競い、覆いの傘も可愛らしく、清らかな白藤がさらに彩りを添えて、「極楽浄土」を観じることができる光景でした。

当麻寺,奥院,浄土庭園のぼたん
案内していただいた先達様、友人たちと静かに語らい、いつまでもこうしていたいと思うほど心安らぐ場所でした。必見です。

当麻寺,二十五菩薩来迎像,奥院リーフレットより
引用:当麻寺・奥院リーフレットより

宝物館には、「当麻曼陀羅」(前出)、「二十五菩薩来迎像」(写真上)、国宝の「俱利伽羅龍蒔絵経箱」など多くの文化財が展示されていました。

こちらの「当麻曼陀羅」は、「延宝本」(県重要文化財)と言われる写本の一つで、絵画ですが、淡い草色の曼陀羅の世界に引き込まれるような感じがしました。

当麻寺・拝観時間・拝観料

  1. 本堂・金堂・講堂
  2. 中之坊・香藕園・霊宝殿
  3. 奥院・宝物館

拝観時間は①②③いずれも9時~17時
拝観料は①②③いずれも500円(大人)

当麻寺アクセス

〒639-0276 奈良県葛城市當麻1263
中之坊 TEL&FAX 0745-48-2001
奥院 TEL 0745-48-2008 FAX 0745-48-6668

近鉄南大阪線「当麻駅」下車徒歩15分(約700m)

まとめ(二上山の万葉集解説あり)

当麻寺はいかがでしたでしょうか。

写経の功徳により一夜で中将姫が織りあげたという一幅の「曼荼羅」がご本尊という珍しいお寺。白鳳・天平の文化が今も息づき、国宝・重要文化財などの見どころがいっぱいで、去りがたいお寺でした。

当麻寺,背後の二上山に沈む太陽
ふと振り返ると、当麻寺の背後にある二上山に太陽が沈む時刻が迫っていました。二上山の雄岳の山頂付近には「大津皇子(おおつのみこ)の墓」と伝えられる墓所があります。

大津皇子は、天武天皇の皇子でありながら、皇位継承争いで、謀反の罪をきせられ、自害させられた悲劇の皇子です。皇子が二上山に葬られた時、同腹の姉大伯皇女(おおくのひめみこ)が弟の死を哀傷して、「うつそみの人にあるわれや明日よりは二上山を弟(いろせ)とわが見む」〈現世の人である私は、明日から二上山を弟と思おう〉と詠んだ歌が『万葉集』にあります。

こうした悲しい歴史も、二上山に夕陽が沈む光景が古来より多くの人々の心をとらえた理由の一つと思えてなりません。

当麻寺,門前町
仁王門前の参道も、古く格式がある民家が立ち並び、一層厳かな雰囲気をかもし出していました。八重桜やぼたん、しゃくなげ、つつじなどの花々が咲く季節に訪ねることができて、寿命が延びた心地がしました。

今回は紹介できませんでしたが、当麻寺境内には、ぼたんやしゃくなげの名所西南院、ぼたん・大つつじ群・しだれ桜の名所護念院があります。また、近くには中将姫が蓮の糸を染めたという「染めの井」がある石光寺もあります。

みなさんも是非訪れてみてください。

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ABOUT ME
Written by ゆうこ
卯年、山羊座。元国語教師。趣味は、温泉旅行や食べること。百人一首競技かるたは選手&読手A級。お寺や神社に立つと、幾度もの興亡が繰り返され、再建・再生され、長年月維持し、受け継いできた無数の無名の人々がいたことを思わずにいられません。そういう人々の思いを少しでも伝えられたらと思っています。 共著書:『新渡戸稲造の至言』(新渡戸基金発行)『花ひらく女学校』(女子教育史散策 明治後期編)

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